ふぅぅ、ようやく終わった。 昨日まで東京に出張していた。最後の最後までご苦労なことである。我ながら笑いたくなるような旅がらす人生だが、ようやく今日で仕事納めだ。 昨日は仕事を終えてから、銀座、渋谷、浅草辺りをぶらりと歩いたけど、すでに世間は正月休みに突入しただけあって、どこに行ってもすごい人波だった。 浅草の参道は正月飾りで華やかなに演出され、参拝客の波が切れ間もないほど続いていた。相変わらず外人さんも多く、多国籍語が飛び交う。浅草寺本堂の門には「大関」と「月桂冠」の酒樽がど~んと積まれていた。こういうのは大好きなロケーションなんで、すかさず携帯でパチリ。 しかし、人気の浅草界隈といえども、ひとつ裏通りに入ると、いかにも下町らしい懐かしさを感じる静寂が漂う通りもある。昼間から開けた居酒屋に、粋な女将さんが「お兄さん、いらっしゃい」なんて、声をかけてくる。夕暮れ時だったら、間違いなくふらふら入ってしまっただろうなぁ…と思う。 今年は40泊80日の出張スコアだった。昨年に比べれば少し減ったが、それでも相変わらずの旅がらすだった。来年はどうなることやら…ああ、しがないサラリーマン(笑)。 ■最近読んだ本 「剣客商売二」 池波正太郎 新潮文庫 ☆☆☆☆☆ ■最近観た映画 「男はつらいよ 寅次郎心の休日」第43作 山田洋次監督 日本 1990 BS ☆☆☆☆★ 「男はつらいよ 寅次郎心の告白」第44作 山田洋次監督 日本 1991 BS ☆☆☆☆★ 「明日の記憶」 堤幸彦監督 日本 DVD 2005 ☆☆☆★★  
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何の知識もなく読む本の面白さは格別だ。 遅ればながら池波正太郎の「剣客商売」にはまってしまった。 「鬼平犯科帳」や「仕掛け人梅安」と並んで、超人気のシリーズだが、これまでまったく手に取ることがなかった。時代小説といえば、僕の中では司馬遼太郎が筆頭で、次に藤沢周平、吉村昭と続く。池波正太郎の作品については気にはなっていたが、縁がなかったというべきか。 中途半端な読み方だが、番外編を入れると全18巻の文庫が出ている中で、途中の4巻「天魔」から読み始めてしまった。しかし、これがめっぽう面白い。早速、図書館に行って棚を見ると、1~3巻が借りられており、仕方なく5巻「白い鬼」を借りる。出張の往復であっと言う間に読んでしまい、どうしても最初の3巻が読みたくて、ほうぼう回ってBOOK OFFでようやくゲットできた。 この週末の楽しみと、出張読書の楽しみが倍加した。何でも藤田まこと主演でDVDが出ているようなので、こいつも要チェックだ。 ※今週は馬車馬のように働いた(はぁ~・笑)。 月曜の東京日帰りに始まって、火曜は静岡、木曜~金曜は金沢に出張し、昨夜遅くに帰宅した。電車での移動時間が長かったので、気になるのがお尻の状態(笑)。 ■最近読んだ本 「剣客商売五 白い鬼」 池波正太郎 新潮文庫 ☆☆☆☆☆ 「剣客商売一」 池波正太郎 新潮文庫 ☆☆☆☆☆
日帰りで東京に出張してきた。朝8時過ぎの新幹線に乗って、雪をかぶった富士山を眺めて、今こうして自宅で日記を書いてるんで、いやはや近くなったもんだ。 午前中の打ち合わせが終わって、さぁ、昼飯ということになり、会社近くにある築地の蕎麦屋に出向いた。 『さらしなの里』という店だが、なんでも創業は明治32年という老舗らしい。場所柄もあって、築地直送のアナゴや、ホタテも旨いというが、今の季節は鴨に限るということで、早速、鴨せいろ(この店では鴨汁そばという)を頼んだ。 僕は麺喰い男(笑)であるが、蕎麦だけは苦手だ。第一、庶民的ではない。格式ばった店に行くと、店主のウンチクが先行して、値段もやたらと高い。その上、量が少ないから満足できないのだ。蕎麦は駅の立ち食いか大衆食堂の大盛のざる蕎麦に限る(笑)。 その点、ラーメンやうどんは庶民的だ。最も、名古屋の山本屋の味噌煮込みうどんのように、一杯3000円以上(名古屋コーチン、広島カキ入り)するものもあるから侮れないが…。 話がそれたが、この店おススメの「鴨せいろ」を頼んだ。 鴨肉とネギが入ったつけ汁に卵をといて食す。麺は白くて細くコシが強い。つるりと喉に滑るような食感も素晴らしく、思わず「うーん、うまいっ!」と唸ってしまった。 一枚では足りないので、続いて更に一枚を追加して、今度は冷たいツユで食べた。これも旨かった。 築地という場所柄、庶民の台所という雰囲気と思いきやそうでもないらしい。安く食わせる寿司屋や丼物の店ばかりでなく、こうした気取った老舗もある。まぁ、最もしがないサラリーマンなんで、高く食わせる寿司屋には縁がないがねぇ…(笑)。 ※『さらしなの里』東京都中央区築地3-3-9 日祝休 ■最近読んだ本 「口笛吹いて」 重松清 文藝春秋 ☆☆☆★★ ★メインサイト「 琺瑯看板探検隊が行く」もどうぞご覧ください★ ↓♪ 良かったらポチッとお願いします ♪ 

師走12月。今年も暮れようとしてるのに、独り訪ねた知多半島は春のような暖かさだった。 武豊町には醤油醸造元が軒を連ねる一角があり、甘辛い醤油の香りが漂う、クルマ一台がようやく通れる狭い路地に、黒板壁の蔵が並ぶ。 その中の一軒、「南蔵醤油」の建物を覗くと、薄暗い倉庫に巨大な樽がど~んと座っていた。中に入ってみると、醤油の香りと微かにカビ臭いすえた香りが鼻をくすぐる。時間が止まったような静けさが心地いい。 この辺りには江戸時代から続く老舗の醸造元も何軒かあり、町全体が醤油の香りに包まれているようなレトロな雰囲気だ。醤油や味噌の醸造の機械化が当たり前の世の中、昔ながらの製法で作っていくことのこだわりは、いつまでも残って欲しいと思う。 半島先端の師崎で折り返し、ジャンボ海老フライで有名な「まるは食堂」を横目で見ながら豊浜に着いた。いかにも漁村らしく、クルマも通れない狭い路地に、屋根と屋根がくっつくほどの間隔で家屋が並んでいる。 こういうのもいい。窓を開けて、「○○さ~ん、雨が降ってきたよ~」、など言えば、すぐ隣の家の窓から「ありがとうよ~」なんて言って、洗濯物を取り込む…きっと、こんなやり取りがあるかもしれない。 冬の海を見に行く…という自分なりのテーマで出かけてみたが、寒々とした鉛色の荒れた海を想像していたのに、波も立たない穏やかな緑色の海、そして小春日和の一日だった。まぁ、生活感溢れる町の風景を切り撮れただけでも、“良し”としよう。 ■最近読んだ本 「昭和夏休み大全」 市橋芳則 河出書房新社 ☆☆★★★ 「帰ってきたもてない男」 小野谷敦 ちくま新書 ☆☆☆★★ 「剣客商売四 天魔」 池波正太郎 新潮文庫 ☆☆☆☆☆  
先月の末から毎週のように北陸に出張しているが、今週は富山県の高岡に行ってきた。 高岡は古い町並みも随所に残る雰囲気がある城下町だ。漫画家の藤子不二雄の出生地であり、日本三大大仏のひとつとして高岡大仏が有名だが、最近はうまいラーメン屋が多くあることでも名を売っているようだ。 中でも、小杉町にある「めん八」という行列ができるラーメン屋がおススメだ。前回、訪ねたときは運悪く定休日に重なってしまい、泣く泣く帰ったが、二度目の挑戦でようやく噂のラーメンを食すことができた。 富山らしく真っ黒いスープのブラックラーメンだが、味は意外にしつこくなく、以前食べた富山駅前の「大喜」のブラックスープよりも塩辛くない。麺も僕の好みの太麺、チャーシューもとろりとしてうまかった。ちなみに大盛950円、並は750円だった。 僕は“麺食い”なので、それこそ3食麺類でもいいぐらいだが、こうしたうまい麺に当たったときは、それこそ至福のヨロコビだ。おそらく頬の筋肉が緩んで、眉間のシワもなくなっているだろうなぁ(笑)。   ※携帯で撮影 ※『めん八』 富山県射水市太閤山1-7-10 ★メインサイト「 琺瑯看板探検隊が行く」もどうぞご覧ください★ ↓♪ 良かったらポチッとお願いします ♪ 

山田洋次監督作品『武士の一分』を観てきた。 原作は藤沢周平の『隠し剣 秋風抄』に収録されている『盲目剣谺返し』である。藤沢ファンとしてはもちろん読んでいるが、このストーリーをまさか映像で見ることができるとは思ってもいなかった。 盲目になってからの木村拓哉の演技は、軽さが消えて緊迫感が漂ってくる迫真さ。チョンマゲは似合わないが、それでも堂々たる主役ぶりだった。 かたや、脇を固める妻役の檀れいがよかった。元宝塚の娘役トップスターということだが、いやぁ、キレイな女性です。いかにも武士の妻女といった、控えめで凛とした美しさがにじみ出ていた。この人の演技を観ただけでも足を運んだ甲斐があったというものだ。 そして、もう一人は『男はつらいよ』シリーズや、前作の『隠し剣 鬼の爪』にも出ている中間役の笹野高史。山田組の常連俳優なのだが、これまでのチョイ役とは違い、いぶし銀のような演技をたっぷりと見せてもらった。 僕の中での“いい映画”はいたって単純で、チケット代の1800円が「高いか、安いか」という基準だけ。今回のジャッジは、一緒に観た妻も口をそろえて、「安かった!」。最後は涙、涙の◎でした。 
先週に続いて金沢に出張した。北陸本線から見る景色は、米原あたりからは伊吹山の中腹以上が真っ白、今庄駅付近は積雪10センチくらいあった。 このところ毎週のように北陸に出張してきたが、いよいよ冬がやってきたという感じ。これから始まる長い冬は、僕ら出張族にとってもつらい季節ですねぇ。薄いコートからモコモコのコートまで使い分けのめんどくささも始まるし。まぁ、これもしがないサラリーマンのサダメですかね(笑)。 ところで、サラリーマンといえば、北陸本線を疾走する電車の中でぼんやりと読んでいた本、重松清『カカシの夏休み』が良かった。短編集だけど、表題作と『ライオン先生』はサラリーマンの悲哀を描きながら、家族とは何か?を問うた力作だ。 僕と同世代の不惑真っ盛りのおじさんたちにおススメです。 来週は富山と東京に出張するけど、スポーツ新聞はやめて、重松作品を何冊か抱えて旅をしてみたくなった。 ほんというと、石原真理子の暴露本「ふぞろいな秘密」も読みたいけどね(笑)。
会社休んで書いてます。 といっても、休日出勤の振り替えなんだよね。 週末の旅の余韻がまだ残っていて、一日休んだくらいでは疲れがとれないよなぁ。 体中痛いし、朝、血圧計ったらいつもより高かった。あぁ、いやだね。年をとるということは(笑)。 さて、サイトの更新のついでに画像整理をしていたら、奈良県の下北山村で写した一枚があった。 すでに紅葉の時期を過ぎた落葉松(カラマツ)だ。ピンと張り詰めた冷たい空気に震えるように、そいつは天を突いていた。 その孤高の美しさに感動し、北山峡谷を見下ろす林道に車を止めて思わず写した。バカチョンデジカメなので、ピン甘でこれが精一杯だが、我ながらまく撮れたように思う。 2日間で800キロ以上走った旅だったが、こんな景色に出会うことの楽しみは大きい。しがない中年おやじでも、非日常の出会いを求めた一人旅は、何かしら心に残るものがあったようだ。 ■最近観た映画 「男はつらいよ 寅次郎心の旅路」第41作 山田洋次監督 日本 1989 BS ☆☆☆☆★
紀伊半島を縦断するひとり旅をした。 初日は大宇陀~東吉野村~川上村~上北山村~熊野市へ。2日目は熊野から十津川村~大塔村~西吉野村~天川村を経由して往路を戻った。岐阜県にある自宅からは、しめて820キロの旅だった。 大峰山脈に深く切れ込む渓谷に沿って山岳道路が走っている。国道や県道だというのに断崖絶壁にガードレールもないような道が付けられているから凄い。何も好き好んでこうした道を走っているわけではないのだが、今回の目的は紀伊半島の山深くに散らばる小さな集落を訪ねることにあった。 北山村や十津川村は最奥の村だけあって、こんなところに何で家があるの?というくらい山の凄い斜面にへばりつくように建っていた。 熊野市北部の標高600メートルの斜面に忽然と現れた千枚田(丸山千枚田)は、人間の偉大さを感じずにいられなかった。ずっしりと迫ってくる生きていくことのしたたかさに、素直に感動したのだ。 雪がちらつく寒い日だったが、今度は田植えが終わった頃にでも行ってみたくなった。 こんな旅はそうそう経験できるもんじゃない。 
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