昨日からいきなり涼しくなった、というよりも寒くなった。 今日は朝から、長袖のTシャツの上からもう一枚羽織っている。 こういうのを驟雨というのだろうか、針のような細い雨がずっと降り続いている。 こんな日は映画に限るということで、観たのがヨーロッパ映画『善き人のためのソナタ』(2006年ドイツ)。 ベルリンの壁崩壊直前の東ドイツを舞台に、強固な共産主義体制の中枢を担っていたシュタージ(国家保安省)の実態を暴き、彼らに翻ろうされた芸術家たちの苦悩を浮き彫りにした作品。 物語は1984年に始まる。国家体制の矛盾と脅威を西側諸国に知らせようとする芸術家と、それを追う国家公安当局の盗聴による監視作戦。 共産主義国家だった当時の東ドイツでは、市民生活にまで監視の目を向ける活動が実際に行われていたという。10万人の反政府主義者と20万人の密告者がいたといわれている。 とにかく暗い映画だが、優秀なシュタージ局員だったヴィースラー(ウルリッヒ・ミューエ)が、人のプライバシーを暴く日々の悔恨と、国家体制の理不尽で暴力的な矛盾に気づき、やがて任務に背いてまで正義を貫く姿に心を打たれる。 “改めて自由とは何か”ということを考えずにはいられない、そんな映画だ。 わが国においてもプライバシー保護法によるセキュリティーが強化され、個人情報を守る権利が叫ばれて久しいが、それもつい最近のことである。 ネットでは無作為に個人情報が流れ、ある日突然に頼んでもいない出前の寿司100人前が届くことだってある世の中なのだ。 自分のことは自分で守れ、ということなのだろうか。 残念なことに、主演のウルリッヒ・ミューエは今年7月に亡くなったという。素晴らしい演技者でした。合掌。 ■最近観た映画 「善き人のためのソナタ」 フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク監督、2006年 独 2006 DVD ☆☆☆☆★ ■最近読んだ本 「男振」 池波正太郎 新調文庫 ☆☆☆☆☆ 「江戸の暗黒街」 池波正太郎 新調文庫 ☆☆☆☆★
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歳を取ると涙腺が緩んでしょうがない。 ヤフオクで落札した『めぞん一刻』の最終巻を読んでたら、涙が溢れて困った。 カミさんに、「何、泣いてるの…」と言われながら、シャツでぬぐいつつページをめくった。 プロポーズした五代裕作に向かって、音無響子のセリフ 「ひとつだけ、約束…守って…。お願い…一日でいいから、あたしより長生きして…」 …うーん、こりゃたまらん。 続いて、五代と響子の結婚式の当日、響子の義父のセリフ 「うんとしあわせになりなさい。今までの分もね…。あんたはこの日のために生まれてきたんだよ。」 …どんな小説にもこんな名言はないわな。漫画とあなどるなかれだ。 恐るべし、高橋留美子!
ヘンな病気(亜急性甲状腺炎)もようやく快方に向かい、久々にホーロー看板を探しに出かけた。 ETCの通勤割引を狙い、8時55分に料金所を通過。愛知県の三河山間部にある酒蔵を訪ねた。 ネットの地酒サイトで、この酒蔵にホーロー看板が貼られているのを偶然見つけたのだ。 ナビに誘われるまま、自宅を出てから1時間後、酒蔵の前へ。 ありました、ありました。新酒ができたことを知らせる杉玉と並んで、狙いの酒看板が貼ってあった。 久しぶりのホーロー探しなので、後は気の向くままクルマを走らせた。9月下旬というのに、まだまだ暑い週末だけど、秋の先取りのコスモスが咲く風景なんぞ撮りながら、短い旅を終えた。 ■最近読んだ本 「谷中・首ふり坂」 池波正太郎 新潮社文庫 ☆☆☆☆★ 
残暑が厳しいこの三連休、自宅から一歩も出ず、完全休養を決め込んだ。 シーソーゲームのセ・リーグの勝敗の行方を気にしながら、久しぶりに野球番組にかじりついていた。 そして、その隙間に観た映画が『ブラックブック』(ポール・バーホーベン監督、2006年オランダ・ドイツ・イギリス・ベルギー合作)。 1944年のナチス占領下のオランダ。家族を殺されたユダヤ人女性が、レジスタンス運動に参加し、スパイ活動のためにナチス将校の愛人となって戦後を生き残るまでを描いている。 この作品を観て気づいたのは、ずっと以前に読んだ『ナチ将校の妻』(エーディト・ハーン・ベア著)という本。ユダヤ人としてウィーンで生まれ、ナチの将校の妻になることでホロコーストを生き延びた女性の手記である。 また、似たような作品にマイケル・スケイキン著『ナチスになったユダヤ人』というのもある。 内容は、神学校に通いラビを目指していた青年が、大量虐殺を回避するためにユダヤ人らしからぬ(ユダヤ人は黒髪・黒い瞳が多い)ブロンドの髪と青い目を武器に、自らがナチス武装親衛隊に入隊するいう、奇想天外のノンフィクションである。 ヨーロッパ全域で行われたホロコーストは、600万のユダヤ人の命を奪ったということであるが、戦後60年以上経った今も、毎年のように実話に基づく映画が生まれ、記録が出版され、ベストセラーになっていく。 『ブラックブック』も4か国の合作という関心の高さが現れている。 我々人類の犯した罪は、決して拭い去ることはできないようだ。 さて、『ブラックブック』のタイトルの意味ですが、それは観てからのお楽しみとしておきましょう。 ■最近観た映画 「ブラックブック」ポール・バーホーベン監督、2006年 蘭・独・英・ベルギー合作 2006 DVD ☆☆☆☆★  | ブラックブック カリス・ファン・ハウテン.セバスチャン・コッホ.トム・ホフマン.ミヒル・ホイスマン (2007/08/24) Happinet(SB)(D)
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ヤフオクで『めぞん一刻』全巻(高橋留美子著)を落とした。 つい先ごろ、伊東美咲主演でドラマ化されてからずっと気になっていたのだ。 この作品は世に出てからすでに27年も経過しているが、読み返してみると、いまだに色褪せない面白さだ。 学生時代に夢中になって読んだ記憶があるが、久しぶりにページをめくってみると、ストーリーをすっかり忘れているのに気づいた。 そんな意味では、まったく新鮮に読めている。 初めてというカミさんと、競い合うように読んでいるが、主人公の音無響子と五代裕作の恋の行く末が、ほのぼのとして実にいい。 僕もそうだが、年上の女性のやさしさと理想像を、響子さんにダブらせた同世代も多かったに違いないと思う。 昭和30年代を描いた『三丁目の夕日』(西岸良平著)も素晴らしい作品だが、人と人とのコミュニケーションを大事にした昭和の時代を、こうした漫画で懐かしがるのもたまにはいい。
今はデニムというそうだが、20年前のブルージーンズを引っ張り出して履いてみたら、な・ん・と・履けた! 思わず、「やった~!」である。4ヶ月間かけて7キロの減量をしたことが、今日の快挙となったわけだ(大げさ)。 最も、7キロのうち2キロは、現在治療中のヘンな病気(亜急性甲状腺炎)の影響によるものだが、5キロは毎日のジョギングで落とした成果だ。 デニムという呼び名も、20年以上前はジーパンだったし、その後はジーンズ、そしてデニムに変化したから、僕が使うジーンズという名詞も、もはや死語だろうか(汗)。 それにしても、タンスのコヤシになって捨てようと思っていたジーンズが履けたというのは素直にうれしい。 ジーンズばかりでなく、チノパンも捨てずに取っておいて正解だった。よくよく考えてみると、20年前はジーンズが大好きでいつも履いていたもんなぁ。 太ってしまってからは、窮屈なジーンズを一度も履くことがなかった。ひどいときは、ベルトじゃなくてゴムのギャザーのズボンを履いていたし…。 でも、うれしさ反面、痩せて困ったことも出てきそうだ。 試してみたのだが、今度はスーツのズボンがぶかぶかになってしまった(笑)。今はクールビズなんで上着を着ることもないのだが、このままいくと、10月になって肩が落ちたスーツを着ることになりそうだ。 カッコマン(昭和の死語だ~!・笑)の僕としては、こういうのもなんだか困るねぇ。。。 ■最近観た映画 「レインマン」バリー・レヴィンソン監督 米 1988 DVD ☆☆☆☆☆ ※第61回アカデミー賞受賞作品。すでに何度か観ているのだが、改めて観てみると、その素晴らしさに感動してしまった。 なんといっても、自閉症の兄を演じたダスティン・ホフマンの演技力が凄い。同じ自閉症の役で当った「アイ・アム・サム」(2001年米)のショーン・ペンもよかったが、演技力ではホフマンの方に軍配が上がる。 そして、弟役のトム・クルーズの若々しさもいい。ちょうど「トップ・ガン」(1986年)がヒットした後の作品なんで、彼の人気が急上昇した頃だ。今では40歳を超えて渋い役者になっているのはご承知の通り。
安倍さん、辞めちゃいましたねぇ。 無責任時代を象徴するような、突然の辞任だった。 無能な人が周りに多かったこともあるけど、首相としての任命責任は大きいだろうねぇ。 育ちの良さよりも、首相なればこそ、巨大な権威に向かって真っ向から噛みつくような、一癖ある野生的な一面が欲しかったと思うのは私だけでしょうか。 やっぱり、決断力とリーダーシップのなさという、一国の長が持つべく資質に欠けていたことが致命傷になったのではないでしょうか。 健康問題も要因になっているようだけど、そりゃぁ、あれだけ叩かれたら、誰でもおかしくなるわなぁ。目がうつろだったもん。 今の自民党には総理を担う人物はいそうもないけど、これからどうなるんでしょうねぇ。 いっそのこと、今が旬の枡添さんか、それとも石原都知事やそのまんま東にでもやらしたらどうかと思うけど(笑)。。。 ■最近読んだ本 「梅安針供養」 池波正太郎 講談社文庫 ☆☆☆☆☆
長野県から連れ戻した長男の症状は、熱も下がりどうやら快方に向かったようだ。 ヘンな病気(亜急性甲状腺炎)になった僕はといえば、今日の会社帰りに3度目の診察と検査に行ってきた。 先週やった血液検査の結果は、甲状腺ホルモンの流出分泌量が減って、正常値に戻りつつあるという診断だった。 ステロイド剤も15mg/日に減量をしているので、副作用のリスクも少なくなったみたいだ。血圧も正常に戻ってきたし、倦怠感もなくなった。 しかし、この病気の特徴的な症状である、動悸や多汗、体重の減少はやはり出ている。 じっとしていても一日に数回は動悸を感じるし、汗もひどい。朝起きたら枕カバーがびっしょりになるくらい濡れている。今まではこんなことはほとんどなかった。 それと、食欲がすごくあってかなりの量を食べているのに、その反面、体重はじわりじわりと減っている。病気になる前と比べたら3キロくらい落ちてしまった。 今は、体力を落とさないようにしっかり食べて、無理な運動をしないように心がけるのが精一杯のところだが、好きなアルコールも止められているし、毎日やってたジョギングもダメだ。こういうのはかえってストレスが溜まる。 しばらくは、じっと我慢するしかないか…仕方ないよなぁ。。。 ■最近観た映画 「幸せのちから」ガブリエレ・ムッチーノ監督 米 2006 DVD ☆☆☆★★ 「ハンニバル・ライジング」 ピーター・ウェーバー監督 米 2007 DVD ☆☆☆☆★ 「ハンニバル・ライジング」 はトマス・ハリス原作のレクター博士シリーズの映画化。「羊たちの沈黙」「レッドドラゴン」「ハンニバル」ときて、いよいよ殺人者レクター博士の原点に踏み込んだ作品だ。 圧倒的な殺戮描写はやりすぎの感がしないでもないが、映像の美しさ、スケール、アイデアの完成度は高い。主人公ハンニバルの美しい日本人の叔母役を演じたコン・リーは、確かにきれいだが、彼女は中国人だけに日本的な美しさを感じられない。できることなら日本の女優にやってもらいたかったところだ。 ■最近読んだ本 「梅安乱れ雲」 池波正太郎 講談社文庫 ☆☆☆☆☆ 「梅安影法師」 池波正太郎 講談社文庫 ☆☆☆☆☆
長野県の小谷村へ、大学のサークル合宿に出かけた長男から電話があり、39度の高熱を出して唸っているという。 すでに2日も熱が下がらず、山の中だけに医者にも行けず、薬もないという。 合宿はまだ数日を残しており、他のメンバーにも迷惑をかけているらしい。 バスと電車を乗り継いで帰ってくるという長男をそのままにしておくわけにもいかず、カミさんと二人で迎えに行くことになった。 地図で調べると、小谷村は長野県というよりも新潟県境に近い。中央高速から国道を乗り継いでも、自宅からざっと5時間くらいかかりそうだ。 長男には早朝7時に迎えに行くと伝え、着替えと薬をクルマに積み込み午後9時すぎに出発。 その日は松本で高速を下り、ホテルで仮眠した。 翌日早朝5時に出発し、小谷村で熱でやつれきった長男を拾い、とんぼ帰りとなった。 「親バカなんだろうか」…道中、カミさんとの会話で出てきた言葉だ。男の僕としては、過保護を連想せずにはいられない。 しかし、子供が窮地に直面することはそんなにあることもないだろう。20歳になったとはいえ、子供は子供なのである。 考えてみれば、子供のために努力を惜しまないのも親の務めなんだと、今更ながらに考えた小旅行だった。 ※ちゃっかりしているが、いつでもどこでもデジカメは忘れない(笑)。写真は長野県白馬村で見つけた「ボンカレー」。
池波正太郎の「仕掛人・藤枝梅安」シリーズを夢中になって読んでいる。 30年以上前に連載された小説だが、これがまた、読み出したら終わらない面白さ。 そういえば、テレビでシリーズ化されたのも最初は「必殺仕掛人」(1973年)だったと記憶しているが、梅安役は緒方拳がやっていたと思う。 そのときの印象が強烈だったのか、小説を読んでいても緒方拳のイメージがちらついてしょうがない。 まぁ、それだけ本人にとってはアタリ役だったかも。 「必殺仕事人」の藤田まこと(中村主水)もアタリ役。この夏はパチンコ台のキャラクターになったり、いまだに売れっ子だ。 さて、そんな娯楽小説の面白さがどこにあるか…ということですが、 昼間は貧乏人を治す優しい鍼医者としての顔、そして夜は極悪人をあの世に送る殺人者としての顔、善と悪を併せ持った梅安が「世の中に、生かしちゃおけねぇやつ」…をバッサリやるところでしょうか。 今の世に当てはめてみると、バッサリやられなきゃいけないやつが多いのに、善より悪のほうがのさばるご時勢。 闇サイトのOL殺人にしかり、永田町に巣食う妖怪どもにしかり、セクハラ、パワハラがはびこる社会風土…うーん、生かしちゃおけねぇやつらが多すぎる。コイツら一まとめにして、バッサリとやってもらいてぇ。。。(笑) ■最近読んだ本 「仕掛人・藤枝梅安2 梅安蟻地獄」 池波正太郎 講談社文庫 ☆☆☆☆☆
Yahooのニュースコラムを見ていたら、宮崎県知事の東国原氏に甲状腺腫瘍が見つかったとあった。 つい半月前だったら、まったく関心がなかった記事だと思うが、「甲状腺」という文字が目に入って、それこそ食い入るように読んでしまった。 かくいう私のほうは、このところブログでもお伝えしてる通り、亜急性甲状腺炎の治療にいそんしでいますが、専念しているというわけでもありません。 アルコールをぐっとこらえているけど、医者から注意されている急な運動(この場合は、走ったり、跳んだりということでしょうか…)をついつい無意識のうちにやってしまっている。 つまり、駅の階段からホームを走って、満員電車に飛び乗ったりですが…結果はハァハァ、ぜいぜいで、その後の大汗と動悸で参っています。 免疫力が落ちているので、風邪を引かないようにマスクをしてますが、暑苦しくて、それもついつい忘れてしまう。そして、やはりハァハァ、ぜいぜい、滝のような汗が…。 くすりで止めているだけで、身体のほうはついていけないのでしょうねぇ。 明日は一週間ぶりの検査と診察なんで、少しでも快方に向かっていることを期待しています。 ステロイド剤の副作用は、ちょっと血圧が高くなっているだけで、懸念していたムーンフェイスも現れず、今のところ大丈夫なようです。 これから数ヶ月の闘病生活となるみたいですが、ストレスを溜めずにのんびりやろうと思っています。
9月に入りましたね。 このところ病気ネタばかりで恐縮ですが、ヘンな病気のその後です(笑)。 ステロイド剤投与4日目に入って、微熱や倦怠感という症状は劇的になくなったんですが、くすりの副作用の兆候が少し出てきました。 ・血圧が上昇→普段は120~130台だが、上が140台の境界域に突入。 ・睡眠が浅くなった→早く目覚める ・動悸がする ・顔が少し火照る→ムーンフェイスの兆候か(やばい) ネットで調べたところ、亜急性甲状腺炎の治療としてのステロイド剤投与は、最初に充分な量(ブレドニン錠20~45mg)を投与して少しづつ減量していくということですが、僕が処方されている30mg/日という量は、症状から見ると多い量かもしれません(ちょっと不安)。 来週の火曜日に診察と検査があるので、その段階での副作用と治療効果を見て減量がされるようです。 それまでの辛抱ですが、ここにきてくすりのリスク(くすりの反対ですね~)を心配する毎日です。 いずれにせよ、甲状腺機能が回復するまで2~3ヶ月かかる病気なので、くすりとも気長に付き合っていく覚悟がいるようです。 ホーロー看板探しの旅にも行きたいけど、しばらくはがまんかなぁ。。。
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