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築100年の旅館

「うちは築100年経ってますんで、天井が低いんで、頭ぶつけないようにしてくださいね~」
ガタ、ビシ、ギィと音が鳴る、黒光りする廊下を歩きながら、部屋を案内する旅館の女将さんに言われた。
この週末に、三重県伊賀上野にある旅館に泊まったときのひとコマである。
築100年の旅館は、まさに『男はつらいよ』の寅さんシリーズに出てくるようなパフォーマンスだった。
いわゆる駅前旅館というのだろうか。素泊まりで4000円の価格もさることながら、どこかに懐かしい味が漂っているような、なんとも言われぬ情緒を感じた。
でも、部屋は暗く陰気臭いし(元は仏間だったか)、もちろんエアコンなどなく、ストーブ。テレビはチャンネル式(凄い!)、二階だというのにトイレは水洗ではなく、直下型のボットン式だった(最高!)。
快適さを追求すればキリが無いが、考えてみれば、「寝るだけでいいや」なんて思っている僕なんで、こうした宿に泊まることも、また楽しいわけです。
その日の同宿に、工事の仕事で連泊されているおじさん3人がいた(僕もおじさんだけど)。
礼儀正しき人たちで、こうした宿に泊まるのは慣れているのだろうか、風呂場で一緒になったときも、「お先に」と声を掛けられたし、音が筒抜けの隣の部屋での酒盛りは、午後9時には終わった。そして、ヒソヒソ声が聞こえたと思ったら、朝は5時から出かけていった。
ホテルでは考えられないような、隣人に対する気遣いが生きていた。
こうした旅館も少しづつ減っていってるようだが、旅好きな人は、寅さんが生きた時代を体現するのも良いかと思う。
ちなみにこの旅館、風呂場の入口に「女性入浴時間は○時~○時まで」とあった。
女性も泊まるのだろうか。ちょっと勇気がいるかもなぁ…。

築100年


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看板屋敷の現実

ホーロー看板を探しに、三重県から奈良県を旅した。
今回は、金沢在住の看板マニアのKさんとのミニオフ会だ。
僕が案内役ということもあり、コース・計画を組むにあたり、
看板屋敷(ホーロー看板をたくさん貼ったお屋敷)をいくつか案内するつもりで考えた。
しかし、何年かぶりに訪れてみると、看板屋敷があった場所が更地になっていたり、取り壊されて新しい家が建っていたり、駐車場になってしまっていた。
僕が主宰しているサイト『琺瑯看板探険隊が行く』の看板屋敷のレビューでは、パフォーマンス度や絶滅危惧度合(5年以内の残存率)で、☆印でランクづけをしている。
それを改めて見てみると、今回消滅していた屋敷は、絶滅危惧度はいずれも☆☆だった。
3年しか経っていないのに、すでに失くなってしまった看板屋敷を見ると、大きく読みが外れたようだ。
それだけ、急速に古いものが淘汰されている世の中になっているのかもしれない。
失くなったことは残念だが、そんなことを改めて感じずにはいられなかった。

カンバンヤシキ


※写真/三重県最高の看板屋敷。まだまだ頑張っています。3年前に撮影したときと比べると、「千代田ミシン」の“千代田”の部分がなくなってしまいました。