「陶都」と呼ばれる、歴史ある町に越して16年が過ぎた。
毎日、同じ道を歩いて、同じ風景を見続けてきた。
…たまには“冒険”もいいじゃないか。
中国生まれの折りたたみ自転車にまたがり、路地から路地へ。
潰れた銭湯、妖しげな飲み屋が寄せ合う路地、捨てられた古い家、戦前の防火水槽…。
寂れちまった町角に、ディープな町の名残りがあった。



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久しぶりに綺麗に晴れ渡った午後、お蔵入りしてた折りたたみ自転車を引っ張り出した。
短い春は移ろい、いつしか桜は散って、次は花水木だ。
薄紅色の花が月と渾然一体となって、うまい具合にファインダーに収まった。
