往生際が悪いので、まだ秋田にいる。
今日はホテルの窓を激しく叩く雨音で目が覚めるという、大雨警報の朝から始まった。
7時過ぎまでベッドでゴロゴロと過ごし、雨のなか駅前にある吉野家へ。
足の具合は昨日と変わらず、駅の階段の登り下りにズキンと響く。
痛みが出てから5日目になるのに、さすがにこれでは笑えない。
ホテルでの二日続きの缶詰めもつまらないので、気分転換に昨年亡くなった叔父に線香を上げることにした。
新幹線こまちに乗車し、角館で下車。
横殴りの雨のなかを歩く。
ほんの数百メートルなのに、足の痛みと違和感が出てきた。
(今回はここらで白旗上げてもいいよな‥)
と弱気の自分をいじりながら、叔父の家に向かった。
私が突然やってきたということで、近くに住むもう一人の叔父やいとこたちも合流し、久しぶりの再会を楽しむことができた。
徒歩で秋田に来たと聞いて皆一様に驚いたのは可笑しかったが、おそらく本音は呆れていたんだろうと思う。
私が逆の立場なら間違いなくそうだ。
ともあれ、ほんの半日の短い旅だったが、訪ねることができて良かったと思う。
帰り際に木箱に入った稲庭うどんのお土産を渡されたが、重いし、旅をしているので固辞したが、結局受け取ってしまった。
紙一枚にもこだわり軽量化を図って挑んだ今回の旅が、この時点で終わったんだ、と改めて思うことになった。
さて、明日。
帰りの切符はまだ買ってない。
この期に及んで、往生際も諦めも悪い自分がいる。
すっかり忘れていたが、昨日は膵臓の手術をしてちょうど一年。
私にとっては、命をつなぐことができた記念日だ。
今こうして、徒歩での日本縦断に挑んでいる自分がいることに感謝したい。
■2020年7月12日 秋田県秋田市
■ホテルアルファーワン秋田
■雨

※角館駅で
メインサイト『
琺瑯看板探検隊が行く』もどうぞご覧ください★
↓♪ 良かったらポチッとお願いします ♪


スポンサーサイト