昨年読んだ本の数は132冊。
実に20年ぶりの100冊超えだった。
コロナ禍に翻弄されて、外出もせずに自宅にこもっていたので、本を読んで暇をつぶしていたからだろう。
年末に帰省した長女が本棚を眺めて、ごっそりと本を持って帰ったのがうれしく、部屋に溢れた本も少しは役に立ったみたいだ。
さて、昨年読んだ本の中からマイベスト10を発表してみましょうか。
1位 『アメリカンビレッジの夜——基地の町・沖縄に生きる女たち』 アケミ・ジョンソン
2位 『土偶を読む――130年間解かれなかった縄文神話の謎』 竹倉 史人
3位 『ヒロシマを暴いた男 米国人ジャーナリスト、国家権力への挑戦』 レスリー・M・M・ブルーム,高山 祥子訳
4位 『魂を撮ろう ユージン・スミスとアイリーンの水俣』 石井 妙子
5位 『レストラン「ドイツ亭」』 アネッテ・ヘス
6位 『片手の郵便配達人』 グードルン・パウゼヴァング
7位 『ノモレ』 国分 拓
8位 『アウシュヴィッツの図書係』 アントニオ・G・イトゥルベ
9位 『踊る熊たち:冷戦後の体制転換にもがく人々』 ヴィトルト・シャブウォフスキ
10位『野の春 ――流転の海 第九部』 宮本 輝
ノンフィクションが中心となりましたが、新刊も織り交ぜて読むことができました。
【12月の読書】
12月の読書メーター読んだ本の数:20
読んだページ数:5684
ナイス数:1658
そして、バトンは渡されたの
感想このところ血なまぐさいノンフィクションを読み続けていたので、その反動もあってか、心地よい温かさに包みこまれた気持ちになった。
2021年大晦日、大トリを飾るにふさわしい作品であった。何と言っても、優子を温かく見守り愛情を注ぐ、バトンを渡された大人たちがほのぼのとして良い。
血のつながらない優子と暮らすことで、“明日が二つ”になったと言わしめる、梨花や森宮の人間性はどこからくるのか。
実の親でも翻弄される子育てを前向きに楽しみ、悲壮感もなく優子が素直に育っていく過程には、改めて家族関係の本質を見た思いがした。
読了日:12月31日 著者:
瀬尾まいこ
ディファイアンス ヒトラーと闘った3兄弟の
感想本書より先に上梓されたピーター・ダフィ『ビエルスキ・ブラザース』に内容は酷似している。
共通の資料や生存者の証言をもとに同一テーマで書かれたので仕方がない面もあるが、まったく同じフレーズが出てくるとちょっとばかし興ざめ。
本書は同名映画の原作になっているが、ユダヤ難民たちの森での暮らしぶりやコミュニティの秩序維持については前著よりも詳しい。逆に、ロシア軍による解放後の顛末や兄弟たちのその後の半生の記述は前著が勝っている。
比較しながら2冊を読み、映画を観るという、何とも贅沢な読書体験をさせてもらったことに感謝。
読了日:12月30日 著者:
ネハマ テック
那覇の市場で古本屋―ひょっこり始めた〈ウララ〉の日々の
感想数年前に沖縄を旅した時、偶然立ち寄ったのが著者があるじをしている『市場の古本屋ウララ』さん。国際通りからほど近い公設市場の中に、その小さな店はあった。
沖縄には出版社も多く、棚を彩る郷土本の品揃えに驚き、上から下まで目を泳がせた。並べる本には店主の志向が強く反映されると思うが、狭くてもしっかりとしたポリシーを主張している魅力を感じた。
本書は、書店員から転身して古本屋を始めるいきさつと、ゆっくりと時が流れる何気ない日々を、肩の力を抜いた飾り気のない言葉で綴っている。ほんとうに本が好きな人なんだと嬉しくなった。
読了日:12月28日 著者:
宇田智子
ビエルスキ・ブラザーズ―無名の三兄弟が演じた奇跡のユダヤ人救出劇の
感想ホロコーストの嵐が吹き荒れるナチス占領下のベラルーシでユダヤ人パルチザンを組織し、1200人もの同胞の命を救った三兄弟のノンフィクション。
「10人のドイツ兵を殺すよりも一人のユダヤ人の老婆を救う」という兄弟の最年長者のトゥヴィアの強い信念はロシア軍による解放まで貫かれている。
2年半にも及ぶ深い森の中でのキャンプ生活は、ドイツ軍の追撃をかわしながらの移動と食料調達の苦難にさいなまれていくが、コミュニティを維持運営した兄弟の統率力と手腕はまさに奇跡といってもいい。
本書では兄弟の光の部分だけでなく、彼らの性格的な端緒や残虐な行為の陰の部分も記録をもとに書き留めている。決して聖人君子や英雄ではなく、一人の人間としての正義感をしっかりと描いているところに著者の誠実性を感じる。
戦後にこの救出劇の全貌が明らかになり、第二のシンドラーと喧伝されたことは本書によるところが大きい。
数年前に史実をもとに映画化された『ディファイアンス』を観たが、内容がかなり歪曲されている印象があったので、ネハマ・テックの同名の原作本も併せて読みつつ、再度視聴してみたくなった。
読了日:12月27日 著者:
ピーター ダフィ
死体格差 異状死17万人の衝撃の
感想年間17万人の異状死に対して、わずか11%という解剖率。先進国にあっては最低レベルの数値である。
警察が異状死体の犯罪性の有無を判定するという客観性を無視した体制、法医学者の不足、低予算による自治体の死因究明機関の設備不備が解剖率の低さとして表れている。
そもそも異状死体を司法解剖にするか否かの判断を法医学者でもない警察医がすること自体に問題がありそうだ。これによって多くの犯罪死が見過ごされてきたのは想像に難くない。
後妻業の女と呼ばれた青酸カリ連続殺人事件を起こした筧千佐子には周辺に11名の不審死が分かっているが、司法解剖されたのはわずか3人。残りは病死で処理されている。これでは遺族は泣き寝入りせざるを得ない。裁判の行方を左右する以上、法医学的見地による客観的証拠を揃えるのは不可欠である。
欧米のようなコロナー(検視官)制度の導入が必要ではないだろうか。また、単身老人世帯の増加と比例した孤独死、コロナ感染症による在宅死を死因究明制度の遅れという理由でうやむやにしてはならない。
本書は臨床医療大国の我が国にあって、大幅に遅れている法医学現場の闇を暴き問題提起している。一刻も早い体制の構築を望みたい。
読了日:12月25日 著者:
山田 敏弘
あなたのゼイ肉、落とします (双葉文庫)の
感想前作『あなたの人生~』を読んだのがいけなかったか、十萬里と小萬里が同一人物のようにダブってしまい、最後までその印象が消えなかった。
もっともこの二人は姉妹なので、似せたキャラに設定したのも、何らかの意図によるものだろうか。1話目は、ちょっとキレがないなぁ…と思って読み始めたが、さすがに垣谷作品、気づいたときには速いテンポと面白さに引き込まれ、いつものように一気読みだった。
何気ない日常生活に潜む家族関係に亀裂が入りそうな危ない要素を抉りだし、あたかもゼイ肉を落とすように温かい目で修復する手腕はさすがである。
読了日:12月23日 著者:
垣谷 美雨
木の実の呼び名事典 (散歩で見かける)の
感想植物画制作の資料として読んだ。代表的なアイテムが並んでいるが、今が盛りのナンテンやクロガネモチ、マンリョウの実はどれも同じように見え、その形状だけでは判断できないのが面白い。
本書には紹介されていないが、私が描いているつる性植物のアオツヅラフジは小さなぶどうのような実をつけるが有毒。食べられるエビヅルの実とそっくりなので、間違って食べてひどい目に遭った人がいるかもしれない。
画像は採集したての標本を写したものなので立体感に欠けるが、植物の自然状態の画像が添えられ全体像が把握できるのが救い。手元に置きたい一冊。
読了日:12月21日 著者:
亀田 龍吉
最後のイタコの
感想1980年代には300人はいたといわれるイタコ、現在活動しているのは10人以下という。
最後のイタコと呼ばれる著者は、「絶滅危惧種」と言い放つ。高齢化の波に逆らえない以上に、厳しい修行による伝承を受け継ぐ後継者が少ないことがその理由である。
イタコや瞽女は盲目の女性がつける仕事として古くからあったが、師匠について学び、技を継承するのは同じである。イタコの源流は古来からのシャーマン信仰にあるのか、その性格は宗教家とは明らかに違う。口寄せにより死者と対峙する神秘を信じるのも信じないも己次第である。
本書では東北地方に伝わる「オシラ様遊ばせ」というイタコによって行われる神事についても紹介されているが、恐山=イタコの口寄せというだけの認識から、占いやお払いといった民間に根付いたイタコの仕事に関しても知ることができたのは収穫。
数年前に恐山を訪ねたが、その荒涼とした風景にたじろぎ、言葉を失ったことを覚えている。
18歳でイタコの世界に飛び込んだ著者は、まさしく“選ばれた人”に違いない。
読了日:12月21日 著者:
松田 広子
踊る熊たち:冷戦後の体制転換にもがく人々の
感想熊使いのロマたちから引取られた踊る熊たち。歯を抜かれ、鼻鎖をされ、アルコール漬けにされた熊たちは、楽器の伴奏に合わせて後ろ足で立って踊り、小金を稼ぐ。
共産主義体制の終焉とともに熊たちは自由の身になるが、人間の匂いや声に敏感に反応し、ほとんどの熊が再び踊り出す。突然与えられた自由に対処できない哀しさがそこにはある。
後半ではソ連崩壊後の旧共産主義諸国で、自由を受け入れられず右往左往する経済的弱者の人々を描く。真の自由とは何か?自由の価値観を問いかけ、つかみ取ることの難しさを踊る熊に重ねた渾身のルポである。
読了日:12月20日 著者:
ヴィトルト・シャブウォフスキ
あなたの人生、片づけます (双葉文庫)の
感想昭和世代ならモノを捨てるのが苦手な人が多いのでは? かくいう私もそう。捨てるのも下手だが、それ以上に溜め込むのが得意。
6年間の単身赴任生活を引き払うとき、キッチンの引き出しにはコンビニやホカ弁で貰った割りばしやお手拭きがぎっしりとあり、引っ越しの手伝いに来たカミさんが驚いていた。
私の場合は単なるズボラのなにものでもないが、この作品に出てくるのは心の悩みを抱えた人々。モノが捨てれない、掃除ができないというのはどうやらその原因が心の不安定さにあるようだ。
それにしても十萬里さんの活躍、お見事という他にない。
読了日:12月17日 著者:
垣谷 美雨
人間の土地への
感想アラブの春から10年、終わりが見えない内戦状態が続くシリア。国内外の難民の数は1300万人にも上っている。
アサド政権に反対する民主化運動が大国による武力支援や兵器販売といった政治・経済利権に巻き込まれ、その結果が国の崩壊である。
内戦前のゆっくりと時が流れる砂漠の体験から、あえて悲惨な状況に身をもって飛び込んでいく著者の行動力には、未知を求めるクライマー魂と日本女性の芯の強さがみえる。難民となったシリア人の伴侶が、内戦によって失ったものは豊かな感情だと語っていることが印象深い。
K2を登頂したトップクライマーだった著者が山の世界から離れてしまったのは残念だが、過酷なビバークでみた生と死の分岐点で実感した命の価値観は、シリアの砂漠から地平線を越え、まだ見ぬ未踏の世界に続いていくと思いたい。
読了日:12月15日 著者:
小松 由佳
土葬の村 (講談社現代新書)の
感想土葬はすでに消滅した風習であると思っていたが、まずはその認識を改めなければならない。
ほぼ100%の世界一の火葬率を誇る日本にあって、ほんの数年前まで近畿地方の村では行われており、その弔いの実態は地方色ある奇異な風習として受け継がれていた。
納棺や野辺送りの作法にも濃密な土俗信仰が背景に見てとれるが、なかでも四十九日に墓をあばく「お棺割り」という風習には戦慄を覚えた。
大がかりで面倒さゆえ、多くの人々の協力を必要とする“おごそかな儀式”土葬は住民どおしの連帯感があってこそだが、近所づき合いや人間関係が希薄な今日では実現できない。
後継者不足で廃れゆく村祭りにしかり、家族葬を筆頭とした葬送スタイルの変化とともに土葬が消える運命にあるのはもはや明白である。
しかし、市民グループの「土葬の会」ができたことで、弔いの選択肢として新しい潮流が生まれたことは、土に還ることを願う人々とって一筋の光明になるかもしれない。
読了日:12月13日 著者:
高橋 繁行
アウシュヴィッツの歯科医の
感想強制収容所でのホロコーストの実態については多く出版されているので目新しさはないが、特筆すべきことは、死の行進から始まるドイツの敗戦と連合軍による解放後までの騒乱の模様が、著者の体験をもとに詳しく描かれていることにある。
アウシュヴィッツで歯科医をしながら生き延びていく過程よりも、こちらのほうが数段生々しい。
そこには歴史の闇に葬られていた客船カップ・アルコナ号の沈没の真実や、新天地を求めて翻弄されていく生還後の著者の姿が貴重な証言として綴られている。
また鉄壁の印象があった収容所のイメージを覆してくれたのが、民間人の非ユダヤ人女性との恋愛。収容所内での囚人どうしのそれはこれまでも多く取り上げられているが、監視の目が緩かったのか、フェンスの外側での逢瀬には驚いた。
脱走を援助し匿ってくれる人がいる状況のなかで、生きるために収容所に残る決心をした著者にはじれったさを感じたが、その選択の是非は結果的に運が良かったという言葉以外見つかりそうもない。
読了日:12月12日 著者:
ベンジャミン・ジェイコブス
落ち葉の呼び名事典 散歩で見かけるの
感想五十の手習いで始めた植物画(ボタニカル・アート)。その参考資料として購入。
冬の訪れとともに光合成できなくなった落葉樹や常緑樹は、紅葉が深まり役目を終えて散っていく。ふだん何気なく見ている自然の摂理だが、そこにあるのは一枚の落ち葉の物語だ。
例えばアカシデの葉。元気いっぱいの瑞々しい緑から、黄色→橙→赤→虫食いの褐色…と変化を追った画像に、走馬灯に映るはかない一生を見るかのようだ。
紅葉が終わり落葉が始まるちょうどこの時期、スケッチブックを片手に里山に分け入り、静けさを満喫しながら絵筆をにぎってみたくなった。
読了日:12月10日 著者:
亀田 龍吉
夫の墓には入りません (中公文庫)の
感想この作品、サクサクと読めるが侮ってはいけない。
どこにでもいる夫婦や家族が抱える不安定な内面の傷口を、えぐるように突っ込んでくる。頁をめくる手が速くなるのは、心理描写と構成力のうまさ故か。
夫の死後明らかになっていく事実や本音が言えない嫁ぎ先の関係に苦しむ主人公に、手を差し伸べるのは両親。ここぞとばかりに立ち上がる父親の存在感が抜群である。
世のふがいないオヤジたちをあざ笑うかのような頼もしい父権回復の姿に心の中で拍手をした。
しかし理由はあれど、夫が急死しても悲しまない妻の心情には共感できず、イライラが募った。
読了日:12月10日 著者:
垣谷 美雨
そこに僕らは居合わせたの
感想ナチズムは広義でファシズムに分類されている。
独裁的な権力をもって反抗の弾圧や暴力があったにも関わらず、それはユダヤ人や非ドイツ国民、共産主義者に対してであり、国民の多くはヒトラーを崇め、その国家主義を熱狂的に支持した。
当時の子供たちがプロパガンダや学校教育で気づかぬうちに洗脳されていく過程は恐ろしく、覚醒するまでの苦悩とその後の人生を思うと、彼らも被害者であった。
日常生活の中にさりげなく入り込んだ邪悪な狂気や閉塞感を証言し続ける著者の姿勢には、ドイツが犯した過ちに翻弄された自らの悔いが見え、胸が痛んだ。
読了日:12月08日 著者:
グードルン・パウゼヴァング
北斎になりすました女 葛飾応為伝の
感想朝井まかて『眩』を読んでから、ずっと気になっていた葛飾応為。
本書を含め多くのメディアに取り上げられたこともあり、今では押しも押されぬ人気絵師である。天国の彼女は知る由もないだろう。
北斎の背中を見て精進し、光と影を操る自身のスタイルを完成させたにも関わらず、北斎の死後も生活のために北斎の落款を入れて描き続けた半生は苦悩に満ちたものだったのか。
応為が生きた時代が、女性の絵師が評価されない背景と重なっていなければ、その生涯は違ったものになっていたかもしれない。以前、小布施の北斎館で北斎最晩年の作といわれる『富士越龍』と『菊』を観たが、本書を開くまで応為作の可能性が示唆されていることを露ほど知らなかった。今後の新たな発見と研究に期待したいところだ。
本書を研究書ではなく応為ブームに乗った伝記として読んだが、作品のカラー図番が少ないのは残念。せめて代表作の『三曲合奏図』は掲載して欲しかった。北斎と応為のタッチの違いは、文字ではなかなか伝わらない。
せっかくの意欲的な検証を、生かさないのはもったいない。
読了日:12月07日 著者:
檀 乃歩也
三千円の使いかた (単行本)の
感想家族小説にありがちな、ののほんとした心地よさに惑わされそうになったが、いたってシビアな内容であった。
カネをめぐる話はどう扱ってもリアルでネガティブになってしまう。大多数の庶民にとって、それが生きていくことに直結しているからだ。同じ商品を買うなら、一円でも安い方を選ぶ。これは主婦感覚ではなく、生活者としての本能といってもいい。
毎日100円の積み重ねでも貯蓄をするということには案外強い意志がいる。
娘の婚約者の借金問題には同じ父親としての立場から感情移入してしまったが、そこまで寛大になれないのが正直なところだ。
読了日:12月06日 著者:
原田 ひ香
土偶を読む――130年間解かれなかった縄文神話の謎の
感想“目からウロコが落ちる”とは、こういうことをいうのか。説得力がある痛快な論説に魅入ってしまった。
土偶のモチーフを植物や貝類の姿から模倣したと確信する柔軟な思考は、考古学者じゃないからこその発想である。女性崇拝だの、呪術に使われたヒトガタといった謎多き土偶の定説がまかり通っていたのは、考古学界の頑固で保守的な古い体質を象徴していると言えなくもない。
それを思うと遮光器土偶=宇宙人説のほうがよほど突飛で面白い。サトイモと重ねた画像には目が点になってしまった。学問は自由な発想で展開してこそ、真の値打ちがある。
読了日:12月05日 著者:
竹倉 史人
越えていく人——南米、日系の若者たちをたずねての
感想海外移民の背景は、人口増加に対して食い扶持を減らす苦肉の策として、国が出稼ぎ労働者の海外渡航を推進したことにあり、そのまま貧困の歴史と重なる。
経済成長を遂げた今の日本で、かつて移民として渡った南米の国々から日系人の出稼ぎ労働者を受け入れているのは皮肉の何物でもない。
沖縄県をルーツにもつ日系3世、4世の若者たちのルポには彼の地に同化し根を張っている姿がある。日本人移住地のようなコミュニティも存在するが、それは少数派のようだ。
増える日系人口と国境を越えしたたかに生きる彼らに、日本民族の逞しさをみた思いがした。
読了日:12月04日 著者:
神里 雄大読書メーターメインサイト『
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