朝6時30分、鴨島駅近くのホテルを出発。
昨日に打った11番藤井寺への道を再び歩く。
途中にあったファミマに立ち寄るが、ホテルで貰った徳島県旅クーポンは使えなかった。
有効期限は今日までなので、勿体ないが2000円分は捨てることになってしまった。
2.5㎞歩いて藤井寺に到着。
ここから12番焼山寺までの12.5㎞の遍路転がしが始まる。
最初は緩い登りだが、徐々に勾配がきつくなり、呼吸が荒くなった。
10キロを超えるザックが肩に食い込み、放り投げたくなる。
長戸庵で先行しているお遍路さんに追いついた。
どうやら朝一番の先頭のようで、クモの巣をはらいながら歩いているという。
ここからは私が代わって先頭に立ち、クモの巣と格闘していくことにした。
山口県から来た61才のFさんは三回目の歩き遍路で、今回は松山から打ち始め、今日で20日目。
とても気さくな人で、ここから今日一日、ずっと一緒に同行することとなった。
遍路転がしの急登はしつこく続き、それこそハーハー、ゼイゼイ。全身が汗まみれである。
なんでこんな辛い思いをしてまで何度も遍路をするのか?という、私の質問に対しての彼の答えは、「四国病なんです」。
なるほど、お遍路に取りつかれてしまったのかもしれない。
お遍路には人生を狂わす魅力があるのか。
今の私には分からないが、この旅を通して体感していくうちに答えが出てくるかもしれない。
11時30分、焼山寺に到着。
本堂と大師堂にお経を上げ、納経所へ。
料金は500円だった。
納経の金額は一律300円が決まりだと思うが、ここは特別のようだ。
焼山寺から鍋岩の集落を通る遍路道を歩く。
梅の花が咲き、閑散とした限界集落に彩りを添えている。
林道を歩いたり、急な山道を登ったり。
疲れた体に追い討ちをかけるような試練だ。
ようやく県道に出て、阿野の集落にある植村旅館に泊まるFさんと別れた。
ここまで同行していただいたことに感謝である。
一期一会になるかもしれないが、お遍路の先達の良い話が訊けただけで収穫ある一日となった。
野宿の私は県道をひたすら下り、鮎喰川の河原にある軽井沢レジャーランドキャンプ場に向かった。
昨日、管理事務所に電話したところ、「4月いっぱい休業だけど、お遍路さんならいいよ」というありがたい返答。
…ということで、誰もいない貸し切り状態のキャンプ場でテントを張った。
管理人のおばちゃんも私の受付を済ますと早々に「じゃ、ゆっくりしてね」と言ってバイクに跨がり帰ってしまった。
残されたのは私一人。
疲れもピークだ。
空は、満天の星となった。
今夜はぐっすりと眠ることにする。
◼️2023年3月10日 11番藤井寺~12番焼山寺
◼️53236歩 34.6㎞
◼️晴れ
◼️軽井沢レジャーランドキャンプ場

※藤井寺から焼山寺に向かう遍路道に入る

※遍路転がしが始まった

※標高が上がるにつれ、眼下に鴨島の町が広がった

※どうやってこの急登の道を担ぎ上げたのだろうか。遍路道にはたくさんの石仏が鎮座していた

※なんのために、こんな苦労をしているのか、自問自答をしながら登った

※廃村を見ながら歩く

※最後の遍路転がしを越えると、巨大なお大師様の像が迎えてくれた

※息を切らして登った先に、焼山寺の山門があった

※焼山寺の本堂

※焼山寺を下るにつれ、眼下の町も近づいてきた

※阿野の町に下りると、こんな広場が目を楽しませてくれた

※この旅最初の野宿

※軽量化を図るため、夕食は徳島製粉のラーメンに乾燥野菜を入れて済ませた
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