快適な宿となった、サイクルセンターを7時に出発
右足には親指を除いて4本すべての指にマメができている。
左は大丈夫なのに、右ばかり。
靴が合っていないのか、それが痛い。
痛みをこらえながら、28番大日寺に向かう。
香南市赤岡町には絵金蔵という大衆演劇場があるが、歴史のある町並みをフラフラ歩いているうちにいつの間にか通り越していた。
10㎞歩いて大日寺に到着。
先着していたSさんが本堂前で読経をしていた。
納経を済ませ、Sさんと連れ立って29番国分寺に向かう。
物部川を渡ると広い田園地帯になり、のんびりと歩く。
途中に大師堂と遍路小屋が合体した建物があり、靴下を脱いで蒸れた足を乾かした。
予報では、好天も今日まで。
今夜から雨が降りだし、しばらく続くようだ。
29番国分寺は静寂の中に佇んでいた。
境内の桜はチラホラ。
高知の春は、これからが本番だ。
ここまで飲食店もなく空腹を抱えて寺を回っていたが、国分寺のすぐ隣にはおしゃれなカフェがあり、ジジイ二人組には似つかわしくないが意を決して突入することにした。
日替りのカレーランチを注文。
これがめっぽう美味い。
デザートには苺ジュース。
我々が座るカフェテラスは、周りは若い女性ばかりだった。
30番善楽寺は気持ちの良い田園地帯を抜け、国道が走る逢坂峠を越えたところにあった。
通しか、区切り打ちか悩んだが、今回の旅はここまでと数日前に決めていたので、名残惜しいがこれをもって最後の参拝とする。
気持ちを込めてお経を読んだ。
スタート時はあれほどつっかえていた般若心経も、少しは様になってきた。
納経を終わり、境内のベンチで腰を下ろし、Sさんと談笑していると、外人の女性お遍路からカタコトの日本語で話かけられた。
どこまで行くかとか、どこに泊まるのとか、たわいもない会話だが、日本語が全くできないアメリカから来た大学生と、スマホの翻訳アプリを使って会話を楽しんだ。
お遍路は外国人にも人気があるようである。
若い女性がお遍路姿で一人で旅をするのを見ていると、四国の風土や人々がお遍路を理解し、寛容なことをひしひしと感じる。
安全な旅を担保できるのは、四国ならでは、お遍路ならではだ。
世界遺産登録を目指すなら、日本の若い女性たちもどんどんお遍路の旅にチャレンジできる環境づくりも必要なのではないだろうか。
改善を望むとするなら、宿泊事情か。
外国人たちにはバックパッカーの精神が当たり前にあり、野宿も厭わないし、お遍路ハウスやドミトリーという格安の宿を利用するのが一般的のようだ。
しかし、日本人の多くは一泊二食付6000~7000円の民宿に泊まり、宿泊の選択肢の一番には民宿がある。
その民宿が旅を続けるなかで、予約の争奪戦となっている。
宿が少ないエリアでは、満室のため宿が取れず、仕方なくバスや電車を利用して近隣の宿を確保するということも多い。
宿事情を解消し、安心安全な旅ができる環境を整えるためにも、格安で泊まれる宿や民泊がもっと増えることを望みたい。
さて、我々ジジイお遍路二人は、善楽寺を離れ、高知市内に向かう。
すでに歩行距離は30㎞を越えた。
16時。高知駅からはりまや橋の途中にあるビジネスホテルに到着。
13日間の私の四国遍路が終わった。
投宿のあと、Sさんとはりまや橋近くの居酒屋で飲んだ。
Sさんは連れがいなくなったことをさかんに嘆いていたが、お遍路の旅を続けるSさんには、きっとまた違う道連れができることだろう。
同じ目的(霊場)に向かって歩を進める、人と人との出会い。
それがお遍路の魅力である。
◼️2023年3月20日 28番大日寺~30番善楽寺
◼️53009歩 35.4㎞
◼️晴
◼️ホテルファースト

※サイクルセンターを出てトンネルがある自転車道を歩く

※香南市赤岡町にある伊能忠敬の碑

※赤岡町の古い町並み

※28番大日寺山門

※同上。本堂

※同上

※物部川を渡るSさん

※石仏が佇む

※田園地帯を歩き、29番国分寺に向かう

※大師堂と組み合わさった遍路小屋があった

※29番国分寺山門

※同上。本堂

※カレーランチを食べる(コットンタイム 980円)

※水が張られた田んぼのある風景を歩く

※同上

※30番善楽寺を打つ。今回の旅が終わった
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