最近になって、訃報が相次ぎ、人の死が身近なものになったと思えるこの頃です。
ショックだったのは、元会社の同僚。
同じ年なので、尚更です。
退職してから同僚たちと会うこともなく、疎遠をいいことにひたすら隠遁生活を続けている私なので、人の生き死にも分かりません。
訃報を知らせてくれる人もなく、ずいぶん経ってから風の便りに、元上司や同僚が亡くなったことを聞いています。
退職してからほんの3年でこれですから、これから5年、10年と経てば、サラリーマン時代のことなどもう忘却の彼方でしょうね。
といいながらも、ひょんなことから今年は会社のOB会地方支部の幹事を任されてしまい、重い腰を上げることになってしまいました。
もっとも、会社との関係を断ち斬りたいなら、退職時にOB会に入らなければよかったんですが、どこかに人恋しさがあったんでしょうか。
連休明けには打ち合わせがあり、名簿整理や懇親会の準備などで、おのずと会員の動向も分かることになるかもしれません。
幹事などできればやりたくないし、なるべくなら接点を持ちたくないと思っていましたが、まぁ、仕方がありません。
さて、2週間ほどお遍路に出ていた4月の読書は5冊で終わりました。
収穫は昆虫図鑑。
『学研の図鑑LIVE新版昆虫』を購入。
小学生から大人まで楽しむことができる図鑑ですが、少年の頃、夢中になって頁をめくったあの感動を味わっています。
不思議なもので、60才を過ぎても森の中でカブトムシやクワガタを採っている夢を見るくらいなので、虫を追っかけていた少年時代の思い出は、心の奥底や脳裏にずっと刷り込まれているのではないかと思っています。
4月の読書メーター読んだ本の数:5
読んだページ数:1373
ナイス数:212
[カラー版] 昆虫学者、奇跡の図鑑を作る (幻冬舎新書)の
感想「3才から大人までが楽しめる」「一切妥協がない図鑑を作る」生体を白バックでという明確なコンセプトをもって始まった図鑑づくりの日々を、それこそ心がときめくような文章で綴ってくれた。
これを読めば、出来上がった図鑑を買わないわけにはいかない。『学研の図鑑 LIVE新版昆虫』は、おっしゃるとおり素晴らしい出来栄え。
昆虫図鑑を毎日眺めて、いつの日にか採集してみたいと胸をときめかせた少年時代のセピア色の思い出が瞬時によみがえった。
これを作り上げた、著者を始めとした昆虫に魅せられた人たちの努力に賞賛の拍手を送りたい。
読了日:04月30日 著者:
丸山 宗利
昆虫 新版 (学研の図鑑LIVE(ライブ))の
感想丸山宗利著『昆虫学者、奇跡の図鑑を作る』つながりで購入し、毎日のように眺めている。何よりも生体を白バックで撮影するというコンセプトが素晴らしい。
なるほど、今にも動き出しそうな虫たちの姿にくぎづけになる。昆虫図鑑のほとんどが標本を撮影し並べているのに対して、確かにこんな図鑑はなかったと思う。
収録された2800種は普通種ばかりでなく新種も取り上げられており、日本には実に多様な昆虫が存在していることに驚く。
かつて、昆虫少年だった私にとって、これは夢のような図鑑。小学生から研究者まで楽しむことができる大作である。
読了日:04月30日 著者:
随筆集 一私小説書きの独語 (単行本)の
感想あとがきで書いている通り、ゴッタ煮鍋風の随筆集。著者の違った側面も見ることができるので、ファンとしては嬉しい内容だ。
芥川賞受賞後の全国を飛び回るスケジュールをこなす忙しさには驚き。人気作家になるとこうなんだ、と改めて驚いた。
映画版の「苦役列車」を思う存分批判しつつも、原作者として温かい目で見ている部分もあり、意外な優しい一面も感じた。
傾倒する藤澤清三はともかくとして、少年時代からの横溝正史への偏愛ぶりは筋金入り。
なかでも金田一シリーズの映画解説は簡潔な文章で読みごたえがあった。
読了日:04月07日 著者:
西村 賢太
ヒトラーの毒見役 (マグノリアブックス)の
感想やや冗長で読みづらくも感じたが、辛抱強く読了した。
全体を通して抑揚に欠けるが、淡々と流れる映画を観るようで、シリアスな内容に反して、同時に心地よさも味わうことができた。
ヒトラーの毒見役という稀有な体験を通して、ナチスに加担したという罪意識を持ち続け、死の間際に生き証人として事実を公表したモデルの女性の勇気は賞賛に値する。
ホロコーストの被害者ばかりがクローズアップされるなかで、ヒトラー独裁政権に翻弄されたドイツ人女性もいたという事実。
彼女もまたナチスの被害者といっても良いと思う。
読了日:04月06日 著者:
ロッセラ・ポストリノ,Rosella Postorino
極限メシ!: あの人が生き抜くために食べたもの (ポプラ新書)の
感想6人の体験が取り上げられているが、極限の中で食べたものに対してクローズアップされていないのは残念。
入手法や調理法、味など、もっと深く踏み込んだ内容にして欲しかった。
特に角幡唯介や服部文祥といったサバイバル実践者の食へのこだわりや体験は、せっかくの題材に対して突っ込みが不十分。
内容は6人の体験や生き方のルポが中心となっており、タイトルの極限メシとはズレている。対談で角田光代を取り上げたこともとってつけたよう。極限メシとはつながらない。
本書の意図がどこにあるのか、今一つ分からない中途半端な内容であった。
読了日:04月01日 著者:
西牟田 靖読書メーターメインサイト『
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