ゲストハウス「BEKKU」の泊まり客は、自転車でお遍路をしている26才フリーターのR君と、私の二人。
オーナーの女将さんと3人で夕食を取りながら、話がはずんだ。
公然とお接待や送迎を要求してくる客や、予約もせずにいきなりやってくる客、連絡なしのキャンセルなど、同じお遍路とも思えない傍若無人ぶりの話に驚く。
これでは人としての常識が疑われる。
お遍路をするに値しない人がいることで、四国遍路の価値を下げていると言ってもいいのではないか。
宿はボランティアでやっているわけではないので、身に覚えがあるお遍路さんは襟を正さなくてはならないだろう。
朝6時30分に、女将さんに見送られて出発。
お接待の茹で玉子は行動食にキープした。
歩き始めてすぐに雨となった。
石槌山の稜線は厚い雲に閉ざされてしまったようだ。
宿から60番横峰寺までは11㎞の距離。
トイレや休息所がある登山口までは折り畳み傘を差して歩く。
8㎞を一気に歩くが、両足の小指にマメができており、これが痛い。
登山口にはR君の自転車がデポしてあり、下山してくるR君と登山道の途中で再会できそうだ。
登山道は石段や手すりもあって整備されているが、雨で濡れた道は滑るし、頭上の木から落ちてくる雨の滴が鬱陶しい。
途中で下山してきたR君とすれ違う。
餞別にバナナを提供した。
食費を切り詰めて、米を炊きながら野宿をしてきたR君に、かつての私自身の若い頃を見た思いがするのだ。
“青年は荒野を目指せ”“熱い冒険をして欲しい”
彼に贈る言葉はいくらでもある。
その若さが羨ましかった。
2.2㎞の登山道を一気に登り、9時30分に横峰寺の山門に着いた。
雨は止んだが、標高が上がった分だけ気温は急降下したようだ。
白衣に着替えて、本堂と大師堂を参拝。
その間にすっかり汗も冷えてしまった。
下山は61番香園寺奥の院を経由して香園寺に向かうルートを選んだ。
雨をたっぷり含んだ下草と、樹上からの水滴で全身ずぶ濡れである。
休憩すると寒いので、奥の院までの6㎞を一気に下り、休息所で雨具や傘を乾かし、昼食を取った。
そこからはのんびりと下り、香園寺に到着。
高くそびえるような本堂は、まるでコンサートホールのような圧倒的な存在感。
とても寺院とは思えない。
二階に上がると、金ぴかの御本尊が奉られていた。
これまで回ってきた札所は総じて地味な寺が多かったが、これは別格だろう。
香園寺からは国道11号線に沿って、62番宝寿寺、63番吉祥寺、64番前神寺を打った。
16時30分に、伊予西条駅前のビジネスホテルに到着。
標高745メートルの横峰寺を登って下りるまでは、気が張っていたからか、それほど疲れを感じなかった。
しかし、その後の国道歩きで暑さにやられたからか、ホテルに着いたときは、体が重くさすがにぐったりときた。
いやはや、年には勝てない。
(このところの、最後の決めゼリフ・笑)
◼️2023年5月23日 西条市丹原~伊予西条駅前
◼️52243歩 33.95㎞
◼️雨のち晴
◼️西条セントラルホテル

※宿から県道147号線を石槌山に向かい、中山川を渡る

※石槌の稜線は雨に煙っていた

※横峰寺に向かう登山道を登る

※同上

※60番横峰寺山門

※同、本堂

※同、大師堂

※下山道から遍路道に入った

※横峰寺から61番香園寺に向かう遍路道

※同上

※香園寺奥の院

※同上

※61番香園寺境内

※まるでコンサートホールのような香園寺本堂

※同、内部

※62番宝寿寺本堂

同、大師堂

※同、境内

※63番吉祥寺山門

※同、本堂。改修中だった

※同、境内にあったくぐり吉祥天

※64番前神寺山門

※同、本堂

※同、大師堂

※加茂川を渡り、西条駅前の宿に向かった
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