朝6時に西条駅前のビジネスホテルを出発。
今日は札所の参拝はないので、予約した宿がある四国中央市の伊予三島までひたすら歩く行程となる。
国道11号線に出ると、早朝にも関わらず、交通量が多い。
疾走する大型トラックの騒音が半端ではないので、できるだけ国道を避けたい。
野口の交差点から旧街道に続く遍路道に入る。
しばらく行くと、民家の前で「お遍路さん、お接待」と、小柄なおばあちゃんから呼び止められた。
昭和時代から、家の前を通るお遍路さんに声をかけているという。
オロナミンCと袋に入れたお菓子の詰め合わせをありがたくいただき、お礼に「南無大師遍照金剛」と唱えながら納め札を渡した。
最初は戸惑っていたこの対応も、落ち着いてできるようになった。
旧街道を通る遍路道は国道に沿って続くが、道端が狭い生活道路にも関わらず、クルマはひっきりなしに通る。
身の危険を感じることもあり、遍路道を離れ何度か国道を歩いてみたりしたが、やはり交通量と騒音に辟易。
善根宿がある関ノ戸から遍路道に逸れて、ようやくクルマ地獄から解放された。
湿度が低いからだろうか、気温は高いのにそれほど汗をかくこともなく、黙々と歩く。
歩き始めは、右足にできたマメの痛みに我慢しながらゆっくりだが、痛みがマヒしてくると、次第に足早となってくる。
昼を過ぎ、ようやく見つけた食堂でミンチカツ定食を食べ、「しまむら」に立ち寄り、半袖のボロシャツと靴下を2足購入。
半袖シャツは1枚しか持ってこなかったし、この暑さではとても長袖は着れない。
小学校の前を過ぎると、金剛杖の鈴の音とザックを背負った私の姿が面白いのか、下校途中の小学生の女の子が付かず離れずついてきた。
私に追い付くために、何度も走っては横に並ぶ。
ランドセルと肩にかけた水筒。黄色い帽子と紺の制服のスカートが可愛い。
「おじさん、どこまでいくの?」
そんな会話から、女の子が2年生で、学年には26人しかいないこと、一年生は15人ということを聞いたりして、300メートルほどを一緒に歩いた。
「クルマに気をつけて」と声をかけ、横道に逸れた女の子と別れた。
ほんのひとときの交流だったが、小学生になったら、こんなふうになるかなぁ…と、今月一歳になる孫の無垢な笑顔にダブらせてしまい、不意に目頭が熱くなった。
スーパーで今夜の晩ごはんと明日の朝、昼の食料を買い出し、伊予三島駅前のホテルに向かう。
途中で、足が痛いという年配のお遍路さんと一瞬に歩く。
偶然にも今夜の宿と明日の宿が同じだということが分かり、今後のルートの情報を交換しながら歩いた。
終わってみれば、歩行距離は37㎞。
半袖のポロシャツで歩いたツケが回ったからか、首筋や腕も日焼けで真っ赤。
どおりで、ヒリヒリするわけだ。
◼️2023年5月24日 伊予西条駅前~四国中央市伊予三島
◼️57851歩 37.60㎞
◼️快晴
◼️ビジネスホテルマイルド

※遍路道の目印。三角寺まではまだまだ遠い

※六地蔵大師堂があった

※お接待でいただいた

※遍路道は国道11号線も通っていく

※善根宿があった。しばし休憩した

※四国中央市に入った

※再び、遍路道へ。これを何度も繰り返した

※のどかな田園風景を歩く

※田植えが終わった田んぼは、幾何学的なアートだ

※大衆食堂でミンチカツ定食を食べる

※遍路道には酒蔵もあった
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