明日から10月だというのに、気温は30度超えです。 昨日はなんと33度。 私の住む町はのべ100日間の真夏日を観測しました。 なんでもこれは観測以来の新記録だそうです。 一年のうち約3分の1が真夏日とは、いったいどうなっているのでしょうね。 そて、そんな暑いさなかに、熱いものを食べたいというカミさんの希望により、久しぶりの外食に行ってきました。 『かま濃』さんという岐阜県瑞浪市に本店があるうどんのチェーン店です。 国宝の永保寺から可児市に抜ける県道沿いにあります。 今回お邪魔した多治見店は初訪店になります。 お昼時とあって店内はけっこうな混みよう。 注文はこの店のウリのオムライス(1228円)とカレーうどん(655円)を。 うどん屋でオムライスというのもヘンですが、これが一番人気のようです。 さて、出てきたオムライスは直径40センチほどありそうな巨大な皿に、ど~ん。 すごいボリュームで鎮座していました。 カレーうどんは濃い茶色のいかにも濃厚なカレーがかかっています。 小皿には後乗せの天かすがついていました。 カミさんとシェアしながら食べます。 オムライスはデミグラスソースの甘味とコクが抜群。 卵もトロトロ。 これは噂通りの美味しさですね。 オムライス専門店で食べる味以上です。 そしてアツアツのカレーうどんですが、これも美味い。 カレーがよく絡んだ太麺はモチモチ、弾力があって食べ応えがあります。 カレーは辛くなくて、とろみも強くどちらかというと甘味を感じます。 どちらもボリュームがあって、カミさんと味わいながら食べることができました。 以前、瑞浪の本店では味噌煮込みうどんと味噌カツ丼を食べましたが、これも抜群に美味かったという印象があり、次回は多治見店でもチャレンジしようと思います。 ※過去レポはこちら 瑞浪『かま濃』味噌カツ丼セット&味噌煮込みうどん        ※『かま濃 多治見店』岐阜県多治見市虎渓山町7-14-18 木午後休 メインサイト『 琺瑯看板探検隊が行く』もどうぞご覧ください★ ↓♪ 良かったらポチッとお願いします ♪   
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20年来のライフワークとしている、ホーロー看板を探しに旅してきました。 自宅を出て福井、琵琶湖、岐阜の山奥をめぐる一泊二日です。 暑さと大雨、そして雷鳴…目まぐるしく変わる天気に翻弄されながら600㎞を走りました。 ホテル代をケチって道の駅でテントを張ったまでは良かったのですが、暑くて寝苦しい。 蚊が侵入して耳元でぶ~ん。 深夜になってようやくうとうとしたころ、雷鳴がとどろき、土砂降りの雨。 暑かったのでフライシートをかけていなかったのが失敗です。 テントはあっという間に水びたし。 這う這うの体でクルマに逃げ込んで、あえなく車中泊となりました。 おかげで翌日は寝不足と筋肉痛。 いやはや、もう若くもないので無理することもありませんね。 でもって、目的のホーロー看板ですが、やはりというか、なかなか見つかりません。 それでも山の中の小さな集落で見つけた金鳥の看板は、まさに正しい田舎の絵になる風景。 そこだけが光り輝くようでした。 稲刈りが始まった黄金色に輝く田んぼ、白く咲き乱れる蕎麦畑、淡くかすむ琵琶湖の風景…。 しっかりと目に焼き付けて、一人で走った短い旅を終えました。            メインサイト『 琺瑯看板探検隊が行く』もどうぞご覧ください★ ↓♪ 良かったらポチッとお願いします ♪   
山田洋次監督の吉永小百合主演『こんにちは、母さん』を観てきました。 東京下町の老舗の足袋屋という設定も情緒があって、全編にわたりほんわかした空気を感じる作品でした。 吉永小百合と大泉洋の親子の掛け合いがまた、往年の寅さん映画を見ているようで、ほのぼのとしてきました。 やはり、家族を描かせたら山田監督の右に出る人はいないですね。 それにしても吉永小百合の若さ、とうてい80歳近いとは思えない。 まったくもって、お化けですね。 演技はいつもの吉永小百合なので、決して上手くもないし、野暮ったくもあります。 鼻にかかる声もいつもどおり。 しかし、なぜか気になる女優さんです。 年老いたとはいえ、スクリーンを通して観ても圧倒的なオーラを感んじるんですね。 私が好きなのはデビューしたての昭和30年代後半の映画。 『伊豆の踊子』『潮騒』『キューポラのある町』など、少女らしい初々しい素の演技が素晴らしいです。 何度見ても飽きることがありません。 後にも先にも、この人を超える女優は出てこないと思います。  メインサイト『 琺瑯看板探検隊が行く』もどうぞご覧ください★ ↓♪ 良かったらポチッとお願いします ♪   
5年使ったPC(Win10)を買い替えることにしました。 これまでダマシだまし使ってきましたが、さすがに限界。 更新がされるたびに動作が遅くなり、起動、シャットダウン、再起動、文字変換、ネット検索などすべてが遅く、ストレスが半端なかったです。 NECの工場出荷品を安価で買ったのがいけなかったのか、スペックの性能が低いので最初からサクサクと動くにはほど遠い状態でした。 それでも5年使ってきたんで、十分です。 成仏してくれるでしょう。 新たに購入したのは富士通FMVの中ランク機種(Win11)。 家電量販店の改装オープンセールでゲットしました。 今日一日かかってセッティングをしましたが、サクサク動いてくれているので、もうこれだけで感動ですね。 懸念していた旧いPhotoshopがインストールできたのもうれしかったです。 まだウイルスバスターをインストールしていないし、データの移行もこれからなので、ぼちぼちと楽しみながら作業したいと思います。 さて、今週末はお彼岸。 彼岸花も咲き始めました。 実家に帰省して老父とお墓参りをします。   メインサイト『 琺瑯看板探検隊が行く』もどうぞご覧ください★ ↓♪ 良かったらポチッとお願いします ♪   
再発もないまま7月で術後4年が経過しました。 しかし、予想通りというか、膵神経内分泌腫瘍との闘いは新たなフェーズに入ったようです。 半分に切除された私の膵臓は不安定ながらもこれまで頑張ってくれていましたが、さすがに年月とともに元気がなくなってきています。 懸念していた膵性糖尿病との闘いが始まりました。 本日朝一番で行きつけの内科クリニックへ。 徐脈と不整脈の検査のため、副作用を疑って1ヶ月半ほど糖尿病薬を中断していましたが、血糖値を測るとHa1c7.6 空腹時血糖149で、やはり上昇していました。 このところ朝夕2回のウォーキングと甘いモノを極力食べないというストィックの生活をしてましたが、あまり効果がなかったようです。 病院での心臓CT検査や心電図によると、懸念していた徐脈と不整脈はクスリの副作用ではなさそうなので、主治医と相談し服薬の再開となりました。 血糖値がじわりじわりと上昇しているので、投薬なしの生活はやはり難しいようです。 術後に描いたクスリの世話にならずに過ごすことは厳しいものになりましたが、クスリを飲むにしろ、引き続きストィックな生活は継続していきたいと思います。 また、徐脈と不整脈については今のところ症状がないので、3ヶ月毎に心電図でフォローしていくことになりました。 ということでこの日は、クリニックを出てからその足で生命保険会社へ向かいました。 保険料が上がる65才を迎えるにあたって、契約の見直しをするためです。 今回、定期の特定介護を取っ払って、終身で契約している死亡保険のみにしました。 これまで恩恵を受けた別会社の医療保険とがん保険は継続するので、これで合計6000円くらい保険料の支払いが減ることになります。 貯金がたっぷりあるなら死亡保険は必要ないかもしれませんが、貯金だと思ってつき合うことにします。  ※本文とは関係ありません
図書館でつげ義春の単行本を借りてきました。 閉架から救い出したのが、『つげ義春の温泉』と『つげ義春日記』の2冊。 温泉の方は20年ほど前に文庫でも読んでいるので再読ですが、日記のほうは初読み。 昭和50年~55年までの5年間を綴ったものですが、精神的に不安定な時期に当たるのか、体調が悪いとか、子育ての不安や引っ越しをしたいとか、やたら暗い話ばかりで読むこっちとしても気が滅入ってしまいました。 もっとも著者の画風がドン底に暗いので、バランス的にはあってるかもしれません。 つげ義春は大好きですが、気分が落ち込んでいるときに手に取るもんじゃないかも。 改めてそう思いました。 ということで話題を変えて、食レポをひとつ。 イオンモール土岐にあるとんかつ屋『とう庵』さんに行ってきました。 いつもならフードコートに足を運ぶところですが、たまには贅沢をしようかとカミさんと目くばせし、レストラン街へ。 ランチタイムは平日でもどこも混んでいますが、この店は行列に並ばなくても良さそうなので入店しました。 私は広島産大粒牡蠣フライ岩中ヒレかつ御膳(1680円)、カミさんは和豚おろしかつ御膳(1450円)を。 岩中ヒレかつというのはどんな豚なのかまったく知識がないまま食べましたが、柔らかくて美味。 牡蠣もそれほど大粒とは言えませんが、美味かったです。 カミさんのおろしカツはシェアしなかったので分かりませんが、ふつうに美味いと言ってました。 とんかつはともかく、雑穀米のご飯が美味しくて、お代わりがしたくなったほどです。 日ごろは白米ばかり食べているので、これは新鮮でした。       ※『とんかつ とう庵 イオンモール土岐店』岐阜県土岐市土岐津町土岐口1372-1 イオンモール土岐 1F メインサイト『 琺瑯看板探検隊が行く』もどうぞご覧ください★ ↓♪ 良かったらポチッとお願いします ♪   
体がなまってきたので町歩きをしてきました。 JR東海道本線に乗って蒲郡へ。 9月とはいえ相変わらずの暑さ。 炎天下の町を歩きます。 蒲郡駅北口を出ると、ロータリーの広さと対照的に閑散とした風景がありました。 さながら廃墟のような、【閉店】の貼り紙がベタベタと貼られた駅前の雑居ビルを見ながら本町へ。 古い薬局やシャッターが下りた酒屋、路地には居酒屋もあって、昔の賑わいを想像できました。 小一時間、あてもなくぶらぶら歩く。 お目当てのホーロー看板を貼った肥料屋を見つけたことを除いて、中途半端に残っている古い町に心がときめくこともなく駅に戻りました。 ちょうど昼時ということもあって、食べるところを探しましたが、北口にはラーメン屋が1軒あるだけで何もありません。 仕方なく南口に出てみるとアピタがありました。 ここなら何かあるだろうと思いフードコートへ。 ほとんど客の姿もない、思った以上に寂れたフードコートに驚きました。 中華そばとミニチャーハンのセット(650円)を注文。 まるで冷食のような味わいにがっかり。 これなら北口のラーメン屋にしたほうが良かったと反省。 どこの駅もそうですが、空洞化が進んだ地方の駅前は寂れる一方のようですね。         メインサイト『 琺瑯看板探検隊が行く』もどうぞご覧ください★ ↓♪ 良かったらポチッとお願いします ♪   
ナチス戦犯のアドルフ・アイヒマンの最期の日々を描いた映画『アイヒマンが処刑された日』(ジェイク・パルトロウ監督 イスラエル・米合作 2023年)を観てきました。 イスラエル映画というのは初めて見たと思います。 非合法の誘拐により南米からイスラエルに移送されたアイヒマンが、1962年に死刑判決を受けたところから物語が始まります。 火葬の風習がないイスラエルでは、執行後のアイヒマンの遺体を焼却するため秘密裏に焼却炉の製作が進められ、そこで働く13歳の少年や工場主、アイヒマンを担当した刑務官、ホロコーストの生存者である警察官らの姿を通し、アイヒマン最期の舞台裏を描き出しています。 映画の中ではアイヒマンの登場場面も少なく、寝姿を除いて、顔はもとより後ろ姿のみしか全体像を映していませんが、散髪する後頭部のアップや死刑執行後の足だけ映し出された姿にリアリティを感じました。 全編を通して暗い映像が続きますが、時折映し出されるイスラエルの陽光が溢れる埃っぽい風景が対照的でした。 そもそもこの映画、ナチスやアイヒマンに興味がある人しか観ない? かなりマイナーな映画なので、客の入りは悪いだろうと踏んで、公開3日目の平日に行きました。 やはりというか、観客は私を入れて5人。 おかげで、中央の席に座って、思いっきりリラックスしながら観ることができました。  メインサイト『 琺瑯看板探検隊が行く』もどうぞご覧ください★ ↓♪ 良かったらポチッとお願いします ♪   
昨夜はこの夏初めてエアコンなしで眠ることができました。 もちろん、窓全開です。 長かった夏もようやく終わりますね。 私が住んでいる町にはラーメン屋さんが多いですが、それに負けないくらいうどん屋さんとそば屋さんもあります。 それぞれの人気店もあり、行列ができる盛況ぶりです。 いってみれば、麺類の町なんでしようか。 『てんとろ』さんは初めての訪店ですが、人気店なのか広い店内はけっこうな混雑ぶりでした。 注文はカミさんが8月限定のすだち蕎麦(880円)、私はミニ天丼が付いたざるそばセット(1080円)を。 ざるそばは二八でしょうか、ツルツルののど越しの良さと蕎麦の香りを感じる美味さです。 野菜と海老が盛られたミニ天丼はミニと侮るなかれ、抜群に美味い。 これは、いつか単品で勝負したいですね。 そして限定のすだち蕎麦は夏にぴったしの清涼感。 すだちの爽やかさが鼻に抜けるようです。 この店の一押しの鶏天も食べてみましたが、ムネ肉のパサつき感もあまり感じずに、美味しく味わうことができました。 忘れた頃に再訪したいと思います。       ※『てんとろ』岐阜県多治見市太平町6-164 アイン太平 1F 無休 メインサイト『 琺瑯看板探検隊が行く』もどうぞご覧ください★ ↓♪ 良かったらポチッとお願いします ♪   
焼きそば好きとしては無視できない店です。 JR多治見駅から徒歩15分くらいのところにあります。 何度か訪ねていますが、今回の目的は人気メニューの台湾焼きそば一択です。 この店は、昼は焼きそば専門店、夜は居酒屋になるようですが、ランチタイムもなかなかの盛況でした。 注文は、サラダとドリンクが付いた鉄板台湾焼きそばセット(1100円)。 さて、鉄板台湾焼きそばですが、ビジュアルは名古屋名物の台湾ラーメンをどんぶりから鉄板に移したという全容。 そのままどんぶりに入ってスープがなみなみあれば、これは思いっきり台湾ラーメンです。 溶き卵を敷いた鉄板に太麺と台湾ミンチ、モヤシとニラが乗っかります。 赤とんがらしがたくさん入っているので、こりゃあ覚悟しなければ…と思いましたが、肩透かし。 それほど辛くありません。 麺はツルツルの弾力があり、太麺好きの私としては好印象でした。 台湾ラーメンの辛さが好きな人にはちょっと物足らないかもしれませんね。 まぁ、変わりダネ焼きそばとして一度はチャレンジしても良いと思いますが、私的には二度目はないですね。 やはり、濃厚ソースこてこての関西風の焼きそばのほうが良いかなぁ。 ※過去レポはコチラ 多治見『わが家』鉄板ソース焼きそばセット     ※『わが家』岐阜県多治見市京町3-105 月休 メインサイト『 琺瑯看板探検隊が行く』もどうぞご覧ください★ ↓♪ 良かったらポチッとお願いします ♪   
めちゃくちゃ暑かった8月。 青春18きっぷを握りしめてカミさんと行った大阪への小さな旅を除けば、病院に通ったくらいで、それ以外はほぼどこにも行かず、何もせずにゴロゴロと過ごした8月だった。 検査を受けた徐脈と不整脈の結果が気になって、ずっとやきもきしていたからか、読書には集中できず13冊で終了。 それでも今年はいつにないハイペースもあって、8月終わったところで103冊の大台越えとなった。 さて、まだまだ残暑が厳しい9月ですが、深まる秋を感じつつ、本格的な読書モードに突入したいと思います。  ※本文とは関係ありません 8月の読書メーター読んだ本の数:13 読んだページ数:4512 ナイス数:700 東海道でしょう! (幻冬舎文庫)の 感想昨年18日間かけて完歩した東海道。五十三次の一コマづつの風景を懐かしく思い出して読んだ。 一緒に行動しながらも著者それぞれの視点と思い入れが違うので新鮮である。 文学や歴史のウンチクが豊富な杉江氏は宿場にちなんだ作家や史跡を詳しく紹介しており参考になる。 歩くことに集中して資料館等に立ち寄らなかった自分の旅がずいぶん勿体なく感じた。 かたや藤田氏のルポは、足が痛い、バテた、もう嫌だ、泣いたり、マッサージとか…ネガティブな連続にうんざり。 更に話題も食べることばかりなので「アンタ、何で歩いてるの?」と問いたくなった。 読了日:08月27日 著者: 杉江 松恋,藤田 香織 運命の旅の 感想抑揚がない文章、更にドラマチックな内容に関わらず自己の精神性や宗教観を投影した表現が多いので難しく感じる。 ナチスドイツからの逃亡を目指したヨーロッパ、アメリカを巡る流転の旅は、ドイツを取り巻く戦時中の国際情勢が描かれており興味深い。 運よく亡命できたのは著者もまた一握りの恵まれたユダヤ人であるが、ユダヤ団体からの生活支援を受けながらもカトリックに傾倒し受洗する。 ユダヤ教を信じず、祈りや神について考察していたことがその理由だが、本書において、信教とは、ユダヤ人とは何かという根源的な疑問を突きつけたように思う。 読了日:08月21日 著者: アルフレート・デーブリーン ヨーゼフ・メンゲレの逃亡 (海外文学セレクション)の 感想メンゲルがヒトラーに命じられるまま忠実に職務を行ったという主張はアイヒマンと共通するが、本人には大量殺人であるという認識はなく、人体実験を楽しむサイコパスの本性が浮かぶ。 骨の髄までナチスなのか、職責を国や医学の進歩に転嫁する神経は保身以上である。 ナチ戦犯の逃亡を手助けする地下組織が戦後何十年も南米にはびこっていたことは国際秩序をバカにしているが、多くの証拠や情報がありながらメンゲルの逃亡を許した捜査の手ぬるさは、責められても仕方がない。 逃亡に疲れ、死を恐れ生にしがみつく晩年の姿は哀れというほかなかった。 読了日:08月20日 著者: オリヴィエ・ゲーズ 狼の幸せの 感想前著『帰れない山』と『フォンターネ』を読んだ身には、優しさにうっとりと包まれる、あの心地よい感触を三度味わうことができたことが何よりも嬉しい。 流れに身を任せるように気負わず、あくまで自然体に過ごす主人公ファウストのフォンターナ・フレッダの四季が、心にしみ入る感触で迫ってくる。 山や自然の美しい描写を書かせたら右に出る者はいないと思えるくらいだ。 お互いの体をザイルで結ぶファウストとシルヴィアの氷河のコンティ二アス歩行は、頼りなくも細い命綱だが、そこには決して切れることがない二人の深い愛情と絆を読み取れた。 読了日:08月18日 著者: パオロ・コニェッティ 異貌の人びと ---日常に隠された被差別を巡るの 感想海外の被差別民や迫害の実態が、日本の路地を含めた下層社会にある独特な問題と比較できるとも思えないが、そこに共通するのは、どこの国においても差別されてきた人々が存在する(した)という事実だ。 スペインのカゴやヨーロッパのロマもしかり、カーストや人種、職業、信教による差別が表面的には撤廃したとされる国においても、差別する側の人々の意識から消さない限り、差別は根深く生き続ける。 ルポは2000年代のものなので少し古いが、実弾が飛び交うパレスチナやネパールの内戦を取材した突撃ルポは、生々しく、読み応えがあった。 読了日:08月16日 著者: 上原 善広 クスノキの番人 (実業之日本社文庫)の 感想ずっと敬遠してきた東野作品を『ナミヤ雑貨店』以来6年ぶりに手に取った。 テンポよくサクサクと読めるのは“東野節”ならではだが、ミステリではないのでやはり物足らない。 良くいえば、安定したストーリーテラー。悪くいえば、キレが無く野暮ったい。 内容は緊張感もなく、いたって平和的にストーリーが展開する。後半に入るとおおよその結末まで読めてしまうので、心の躍動も感じないし、盛り上がりに欠けたまま終わってしまう。 クスノキ内部の描写や到底考えられない会議乱入など不自然な部分もあり、もう少し丁寧に書いて欲しかったところだ。 読了日:08月14日 著者: 東野 圭吾 「ウルトラQ」の誕生の 感想1966年に放送された『ウルトラQ』を当時小学生だった私はリアルタイムで見た。 記念すべき第一話『ゴメスを倒せ!』の視聴率はなんと32.2%。 白黒だったが、オープニングテーマ曲や石坂浩二のナレーションも斬新で、怪獣をテレビで毎週見ることができるという嬉しさで心が躍った。 本書は番組の企画段階から制作秘話を織り交ぜて、マニアックすぎるほどの熱意で取材している。 幼稚園児だった著者はいまだに映像が焼き付いているというから、当時の少年たちを熱狂させたのもうなずける。 ガラモンやカネゴン、M1号…昭和の世界が愛おしい。 読了日:08月12日 著者: 白石 雅彦 山と渓に遊んでの 感想沢登りを通じて交流があった著者の作品。 秋田での幼少期から山を始めた青年期、浦和浪漫山岳会の結成、フリーとなった現在の活動について綴っている。 登山家には非凡な文章力をもった人が多いが、著者は現役の山岳ライターの中でもトップクラスだ。 抒情感溢れる文章も良いが、1997年にACC-J茨城の故・本図一統氏と挑んだ黒部川剱沢大滝の登攀は今読んでも手に汗握る。 本図氏とはクライミングをご一緒し酒を飲んだことを思い出す。 多くの名クライマーが鬼籍に入ってしまったが、高桑氏は唯一無二の沢屋のレジェントとして頑張って欲しい。 読了日:08月12日 著者: 高桑 信一 うかれ女島 (新潮文庫)の 感想モデルのW島がうかれ女島と呼ばれていたのか興味本位で調べてみたが、そんな記述も見当たらないので、どうやら創作のようだ。 だとしたらこれは本書を読む上でも的を得たネーミングだと思う。 東電OL事件を絡ませたり、ミステリ仕立ての盛り沢山の要素を突っ込み過ぎて、最後は無理にまとめた感もある。 娼婦の母を憎んでいた息子が亡き母の思いを知った場面で終わっても良かったのでは。 極論のようだが「男に復讐したいなら、娼婦になればいい。屈服させ、支配し、勝利するんだ」この言葉に、性の解放と女性差別への憤りが込められていると思えた。 読了日:08月08日 著者: 花房 観音 ナチスと映画―ヒトラーとナチスはどう描かれてきたか (中公新書)の 感想ナチスやヒトラーをモチーフにした映画が現在でも量産されているのは何故なのか、ずっと疑問に思っていた。 捉えどころがない虚像と実像を悪の象徴としてばかりでなく、チャップリンの『独裁者』ではその蛮行を茶化すことで批判しているのが面白い。 様々な解釈と角度から描くことができるのは、人々を惹きつける魅力的なモチーフだからこそだろう。 映画をプロパガンダの手段として使ったナチスが、戦後はプロパガンダの道具として、多くの映画に描かれたのは皮肉なめぐり合わせである。 ヒトラーの一挙手一投足もプロパガンダの産物だったのだろうか。 読了日:08月07日 著者: 飯田 道子 完全ドキュメント 北九州監禁連続殺人事件の 感想豊田正義著『消された一家』を読んでいたので、この事件の概要は知っていたが、綿密な周辺取材のもと、圧倒的なスケールで書かれた内容に改めて戦慄を覚えた。 著者は『人殺しの論理』でも触れているが、主犯・松永との面会やその後の手紙のやり取りにおいても、蛇に睨まれた蛙のような精神的なストレスと恐怖心を抱いている。 緒方が殺人に手を染めたのは、サイコパス松永の支配によるものだけとは思わないが、松永さえいなかったらこの事件はなかったはずだ。 今だに松永の死刑は執行されておらず、遺族の心情と被害者の不憫を思うと胸が痛む。 読了日:08月06日 著者: 小野 一光 復讐者たち〔新版〕 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)の 感想2021年公開の同名映画はユダヤ旅団やナカムによる報復活動を中心に描かれたが、原作を読むとこれはエピソードのほんの一部でしかない。 ユダヤ人はナチの不条理に対して決して羊のようにおとなしく殺されたわけでなく、戦時中の早い段階から抵抗活動があったが、事実があまり前面に出てこなかったのは、強固なナチスのイメージを創るためのプロパガンダによるものだと分かった。 ナチ戦犯のアイヒマンの拉致やボルマン、メンゲレの逃亡とそれを追うイスラエル諜報員の追跡はさながらスパイ小説のようにリアルだが、反ユダヤ団体のみならず、いまだに戦犯を援助し続けるナチの地下組織が存在していることには驚く。 これがネオナチや極右勢力と結びついていくのもファシズムの怖さと感じる。 非合法を含めた復讐者たちの行為を“目には目を”のごとく正義として受け止めることができるのか、感情のおもむくまま同感したいが、すっきりとは正当化できない自分である。 読了日:08月04日 著者: マイケル・バー゠ゾウハー ある行旅死亡人の物語の 感想一人旅が好きで登山や歩き旅を楽しんでいるが、たえず気にしているのが万が一のこと。 遭難や旅先で行き倒れ、身元を証明できなければ無縁仏になるという、そんなリスクだ。 単身世帯が大多数を占め孤独死も増えている今、隣人が誰かも分からないという無縁社会では、本書の内容は決して特殊な事例ではない。 家族との関係を断ってひっそりと暮らす人もいるだろう。 死亡した女性が残した小さな手がかりをたぐり、ようやく身元判明に辿り着いても、謎は残りすっきりとしない。 これ以上の詮索はしないで欲しいと、まるで故人が拒んでいるような気がした。 読了日:08月03日 著者: 武田 惇志,伊藤 亜衣読書メーターメインサイト『 琺瑯看板探検隊が行く』もどうぞご覧ください★ ↓♪ 良かったらポチッとお願いします ♪   
北陸の旅二日目は白山ホワイトロードをドライブして、白川郷に抜けて帰宅しました。 以前は白山スーパー林道と呼ばれていましたが、今はホワイトロードと名を改めて夏の期間限定で開通しています。 山中温泉に泊まると通行チケット(1700円)の無料サービスが受けられます。 事前にチェックしておいたのでフロントで申請し、チケットを受け取ることができました。 さて、ホワイトロードですが、全長約33.3㎞、標高500m~1450mの運上のドライブができる山岳コースです。 さすがに日本を代表する山岳ロードだけあって、見どころはたくさんあります。 日本の滝百選の姥ヶ滝は足湯や露天風呂を楽しみながらの絶景に驚き、落差86㍍のふくべ大滝の迫力も半端ではありません。 これを見ただけでも来た甲斐がありました。 石川県と岐阜県の県境にある三方岩駐車場の展望台からは、眼下に広がる白川郷が一望。 温泉と自然の絶景を楽しんだほんの二日間でしたが、夏の終わりの思い出として良い旅に仕上がったと思います。   ※姥ヶ滝に向かう遊歩道  ※姥ヶ滝  ※姥ヶ滝を望む露天風呂  ※ふくべ大滝  ※白山ホワイトロードを望む  ※白山主稜線  ※三方岩の展望台から白川郷を見る  ※飛騨高山のカミさんの実家に立ち寄ると、稲穂が垂れて色づいていた  ※同上 メインサイト『 琺瑯看板探検隊が行く』もどうぞご覧ください★ ↓♪ 良かったらポチッとお願いします ♪   
石川県の山中温泉から白山ホワイトロードを巡る旅をしてきました。 山中温泉は6月に夫婦旅に行き、現地目前で私の体調不良のためキャンセルしたいとう曰く付き。 今回はそれもあってのリベンジの旅です。 山中温泉へのアクセスは、岐阜の自宅から国道を乗り継いで郡上八幡に出て、そこから越美国境を越え、九頭竜湖、永平寺を経由しての完全下道のアプローチで向かいました。 途中の道の駅で鮎の塩焼きや越前おろし蕎麦に舌鼓みし、自宅を出てから6時間ほどで山中温泉に到着しました。 ホテルのチェックインまでの時間を温泉街の散策で時間を潰しました。 人気ルートのこおろぎ橋からあやとり橋までの約600㍍続く渓谷沿いの散策路を歩き、森林浴を楽しむことができました。 この日の宿は、湯快リゾート系列のホテルへ。 バイキングと温泉をのんびりと楽しむことができました。 とりあえずはこれで、山中温泉でのカミさんへのリベンジは終了。 翌日は、後半戦の白山ホワイトロードのドライブに向かうことになります。  ※山中温泉あやとり橋  ※同上  ※散策路を歩く  ※改修中のこおろぎ橋  ※山中温泉街の湯気ロード  ※山中温泉の菅原神社境内にある栢野大杉(樹齢1300年)  ※郡上八幡『道の駅やまと』アユの塩焼き(1匹600円)  ※『道の駅荒島の郷』越前おろし蕎麦(舞茸天ぷら付780円) メインサイト『 琺瑯看板探検隊が行く』もどうぞご覧ください★ ↓♪ 良かったらポチッとお願いします ♪   
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