残暑が厳しいこの三連休、自宅から一歩も出ず、完全休養を決め込んだ。
シーソーゲームのセ・リーグの勝敗の行方を気にしながら、久しぶりに野球番組にかじりついていた。
そして、その隙間に観た映画が『ブラックブック』(ポール・バーホーベン監督、2006年オランダ・ドイツ・イギリス・ベルギー合作)。
1944年のナチス占領下のオランダ。家族を殺されたユダヤ人女性が、レジスタンス運動に参加し、スパイ活動のためにナチス将校の愛人となって戦後を生き残るまでを描いている。
この作品を観て気づいたのは、ずっと以前に読んだ『ナチ将校の妻』(エーディト・ハーン・ベア著)という本。ユダヤ人としてウィーンで生まれ、ナチの将校の妻になることでホロコーストを生き延びた女性の手記である。
また、似たような作品にマイケル・スケイキン著『ナチスになったユダヤ人』というのもある。
内容は、神学校に通いラビを目指していた青年が、大量虐殺を回避するためにユダヤ人らしからぬ(ユダヤ人は黒髪・黒い瞳が多い)ブロンドの髪と青い目を武器に、自らがナチス武装親衛隊に入隊するいう、奇想天外のノンフィクションである。
ヨーロッパ全域で行われたホロコーストは、600万のユダヤ人の命を奪ったということであるが、戦後60年以上経った今も、毎年のように実話に基づく映画が生まれ、記録が出版され、ベストセラーになっていく。
『ブラックブック』も4か国の合作という関心の高さが現れている。
我々人類の犯した罪は、決して拭い去ることはできないようだ。
さて、『ブラックブック』のタイトルの意味ですが、それは観てからのお楽しみとしておきましょう。
■最近観た映画
「ブラックブック」ポール・バーホーベン監督、2006年 蘭・独・英・ベルギー合作 2006 DVD ☆☆☆☆★
 | ブラックブック カリス・ファン・ハウテン.セバスチャン・コッホ.トム・ホフマン.ミヒル・ホイスマン (2007/08/24) Happinet(SB)(D)
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