2021 06123456789101112131415161718192021222324252627282930312021 08

『真田太平記』 完読

池波正太郎著『真田太平記』全12巻を読み終えた。
読み始めが昨年の11月4日なので、2ヶ月以上かかったわけだ。
この大長編を、通勤と出張の友として、ずっと持ち歩いていた。
池波正太郎の長編小説といえば、『鬼平犯科帳』や『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』が有名だが、いずれも一話完結のシリーズものである。
『真田太平記』は昭和49年からあしかけ9年にわたり『週間朝日』に連載された、著者の唯一の長編小説であり、池波文学の最高峰と折り紙をつけても良いぐらい、完成度が高い作品である。
戦国から江戸初期の激動の時代を背景に、信州上田の真田一族の興亡を描いている大叙事詩である。
多くの人々が絶賛しているが、この作品の素晴らしいところは、説明的な歴史うんちくを入れる(司馬遼太郎の手法ですね)のではなく、会話と描写だけで描ききっているところにあるという。
小説家になる前は、時代劇のシナリオ作家をしていただけあって、これは著者の真骨頂ともいえるテクニックである。『鬼平』や『剣客』も同じように読みやすいのは、口語体で構成されているからだ。
池波作品に一貫して流れるのは、「人生とは、死ぬために生きることだ」という哲学。全ての作品にいえるのは、人の死をきちんと見つめ、描ききっているところである。
『真田太平記』も例外ではなく、主人公の真田信之・幸村兄弟から、草の者と呼ばれた下賤階級の忍者に至るまで、登場人物の「死」をあますことなく描いている。
また、様々な登場人物が生き生きと描かれているのも素晴らしく、中でも、女忍者のお江は魅力的だ。
池波作品には美人が出てこないが、容貌は十人並みでも、魅力的な女性がたくさん出てくる。
お江もそうした女性の代表である。タレントでいうなら檀ふみ(彼女は美人だが)のイメージに近い。

これで、一年以上にわたってあまり浮気もせずに集中して読んだ、池波作品読破もほぼ終わった。
しばらくは乱読でもしようと思っている。
年末に買ったP・コーンウェルの検屍官シリーズ最新刊も本棚のこやしになっているし、読みたい本がたくさんある。
好きなときに好きな本を読む…これぞ、最高の幸せですね。

真田太平記
関連記事
スポンサーサイト



[ 2008/01/21 ] 読書 | TB(0) | CM(2)

わたしもこれ2回通読しています。NHKでこれをテレビ化した金曜時代劇のお江がみものです(DVD化されてます)遙くららさん(引退しています)のお江は一生忘れられません。
[ 2008/04/14 20:37 ] [ 編集 ]

ma様
はじめまして!コメントありがとうございます。
この長編を2回通読されているとは、すごいですね。
再読する価値が充分にある作品だと思います。
この作品を読んで以来、池波作品には忍者モノが他にもあることを知り、読み始めたところです。
最近では、「火の国の城・上下」が、内容的にも登場人物も含めて、被るところがあって面白かったです。
[ 2008/04/14 20:45 ] [ 編集 ]

コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
https://tsuchinoko2006.blog.fc2.com/tb.php/170-e74508dc