日本縦断徒歩の旅【中山道編19】瀬田~大津宿~京都

最終日の今日、中山道の旅もいよいよ京都三条大橋にゴールする。
京都の天気予報は午後からの雨を告げていたので、午前中が勝負と踏んで、朝6時にホテルを出発した。
歩行距離は20キロなのでたいしたことはないが、暑さとの闘いは免れない。

瀬田からしばらくは【旧東海道】のプレートに導かれながら住宅街を縫うよう歩く。
琵琶湖の南端にある『瀬田の唐橋』を渡るとすぐに今度は瀬田川を通過し、石山の町に入った。
歩き初めてほんの一時間なのに、すでに汗まみれだ。

休む場所もないので、そのまま膳所城の山門を移築したという神社まで歩く。
誰もいない境内の舞台にもたれて靴を脱ぎ、靴下まで脱いで汗で蒸れた足を乾かしていると、神主さん登場。
一瞬怪訝そうな表情をされたがすぐに愛想を崩して、「ごゆっくり」といって社務所に入っていった。

古い商家や家屋が残る膳所の町ではちょうど登校時間に重なったのか、小さな体に不釣り合いの大きなランドセルを背負った小学生たちが歩く列の後ろを、金魚の糞のようについていく。
傍から見ると、孫を見守るおじいちゃんのように映っていたかもしれない。
もっとも、リュックを背負っていたので“怪しい人”と見られていたら困るが。

道幅も広くなり、年季が入った商家が軒を連ねる大津宿を過ぎると、国道1号線と重なった旧東海道は京阪鉄道と並走して逢坂の関に続いていった。
緩い登り坂になったが交通量が半端ではなく、排気ガスと騒音もさることながら猛烈に暑い。

国道を離れ脇道に入り、ようやく大津市と京都市の境目である追分に出た頃には全身の水分が抜け出てしまったほどヘロヘロになっていた。
しかし腰を下ろして休む場所もないので、ヨロヨロしながらそのまま山科駅近くの六地蔵まで歩く。
ベンチに腰掛けペットボトルの水を一気に一本飲み干し、足を投げ出して靴下を脱ぐと、命拾いした気持ちになった。

ここからゴールの三条大橋まで6.5キロ。
殺人的な気温は35度を上回っている。
熱中症にならずに歩いていること自体が不思議だが、還暦を過ぎた身にはあまりにも過酷である。

六地蔵で十分に休憩し出発したが、すぐに滝のように汗は流れた。
さらに厳しいことに、東海道線の高架を過ぎ細道に入ると、旧東海道は見ただけでも戦意喪失しそうな登り坂となった。

最後の力を振り絞って坂を登り切り、蹴上の浄水場を左に見ながら三条大橋に続く広い歩道を歩いて行った。

11時20分に中山道(東海道)の終点、京都三条大橋にゴール。
暑さが先立ち、感動はなかった。

中山道はこれで塩尻宿から京都まで312キロを歩いたことになったが、秋田まで歩を延ばした本命の日本縦断は830キロ。
ようやく日本列島の三分の一程度を歩いた勘定だ。

まだまだ先は長いが、コロナ感染のリスクがさらに増して、炎天下に関わらず道行く人々が一様にマスク姿なのを見ると、果たして旅の継続ができるのか分からなくなった。

感染リスクを真っ当に考えれば、無理なんだろうと思う。
マメの痛みから解放され、右足の筋肉痛も癒え、暑さとの闘いにも慣れ、長距離・長時間を歩くコツをつかんだというのに、コロナという目に見えぬ最大の敵が立ちはだかっている。

この先、どうすればいいのだろう。
何度も自問自答しながら、三条大橋から地下鉄に乗り換え京都駅に向かった。

■2020年7月21日 滋賀県大津市~京都府京都市
■33616歩  21.85キロ
■晴れ


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※瀬田の唐橋を渡る

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※唐橋を渡るとすぐに瀬田川を通過した

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※古い町並みが残る膳所の町を歩く

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※民家の軒先には家を守る鍾馗さんの姿があった

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※木曽義仲と芭蕉が眠る、義仲寺。

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※大津宿

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※大津宿

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※大津宿本陣跡

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※逢坂山あたり。京阪鉄道と国道1号線が並走する。交通量が多い。

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※蝉丸が百人一首で詠んだ逢坂の関

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※追分の道標。この先から京都市に入った

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※休憩した六地蔵。熱中症一歩手前だった。

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※旧東海道は緩く登る細道になった

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※最後の急坂を登る

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※坂を登ると小さな集落があった

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※京都市東山区。坂本竜馬とお龍の結婚式場跡という史跡もあった

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※三条大橋にゴール。高山彦九郎の像が迎えてくれた

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※三条大橋。次はここから西日本の歩き旅が始まる


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