秋田をスタートして21日目。
今日が最終日となった。
登別駅から普通電車に乗り、昨日ゴールした白老駅へ。
肌寒くどんよりと曇った天気のなか、ゆっくりと歩き出す。
白老には今年の7月に『ウポポイ』という、アイヌ文化を紹介する博物館がオープンした。
駅から徒歩10分ということで一瞬迷ったが、開館まで1時間待つことと、見学には最低3時間くらいかかりそうなので、見送ることにした。
白老の街を抜け国道36号線に出ると、太平洋とJR室蘭本線に挟まれて、まるで定規で線を引いたように、道は真っ直ぐに伸びていた。
ちなみに室蘭本線の白老~沼ノ端間は28.7キロの直線日本一の線路である。
果てしなく続く直線の歩道を行くが、牧場が出てくる他は風景に変化がなく退屈な歩きとなった。
しかし、そんな中でも今日も目を楽しませてくれたのが、鮭の遡上。
何本かの川で鮭を見たが、すでに力尽きているのもいて、故郷の川に戻る過酷な旅が垣間見えた。
JR糸井駅近くから国道を離れ、苫小牧駅まで線路に沿って続く道を歩く。
公園で園児たちがはしゃぎながら走り回る姿や、小学校の校舎に響く歓声を聴きながらずんずん歩いた。
苫小牧駅が近づくと、線路に沿ってかなり傷んだ老朽化した団地が並んでいた。
その距離、1キロに渡る大きな規模の団地である。
玄関ドアはボロボロで外壁はヒビだらけだ。
二階建てや平屋、煙突がついたタイプもあり、一見すると人が住んでいるように見えない。
空き家も多くあるようだ。
苫小牧市営の住宅のようだが、お年寄りが杖をついて歩いていたし、シルバーマークを付けたクルマが玄関の前に止まっているのを多くみた。
都市部ではどこもそうだが、昭和30~40年代に雨後のタケノコのように建設された公営住宅の老朽化が問題になっている。
建物とともに住人の多くが老齢化し、単身世帯が目立っている。
こうした団地は自治体の予算の関係で修繕が遅れ、取り壊すことも建て直すこともできない状態に陥っているという。
老齢化社会は加速度を増しているが、厳しい生活水準にある人々がいることを社会は忘れてはならない。
コロナ不況が拍車をかけている今だからこそ、政府や行政の責任が問われると思う。
さて、歩き旅はいよいよ終盤。
王子製紙の工場を過ぎ、午後13時半、苫小牧駅に到着した。
あと10日あれば宗谷岬に届いたかもしれないが、3日後の人間ドックとハローワーク認定が避けて通れなかった。
北海道の秋が急速に深まってきたことは、この数日の気温の変化で身をもって感じたことだ。
北海道の続きは来年に持ち越すが、それまでに今回ゴールした苫小牧からのルートでもじっくり考えてみたい。
そして、来月からはいよいよ佐多岬を目指す西日本編の旅が始まる。
■2020年9月25日 北海道白老町~苫小牧市 34313歩 22.30キロ
■千歳エアポートホテル
■曇り

※白老駅からスタートした。

※国道36号線に出てると、牧場を見ることができた。

※苫小牧市に入った。


※直線道路が続く。

※今日も鮭の遡上を見た。錦多峰川。


※糸井駅。レトロな駅舎。


※王子製紙の工場を見ながら到着駅を目指す。

※今回の旅のゴール、苫小牧駅に到着した。
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苫小牧まで歩かれたのですね。お疲れさまでした。
縦断記録を全て拝見しました。
掲載写真の内、見覚えのある風景の写真が25枚ありました。
草津宿本陣、歩行者専用トンネル、長万部駅の錆びた跨線橋等々懐かしく思い出しました。
旅は中断されるそうですが、英気を養われ再開されますよう祈っております。
コメントありがとうございます❗
言葉足らずで一行足しました。
来月から佐多岬を目指す旅をする予定です。
年内にゴールできたらうれしいですが…。
歩き旅さんは日本縦断を完歩されているようですね。
印象に残る楽しい旅だったようにお見受けしました。
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