新型コロナの感染が第3波に入ったようである。
連日のニュースを見るにつれ、浮世離れした旅を楽しんでいる自分に多少のわだかまりを感じつつ、黙々と歩いている。
コロナ感染はもはや別世界の話ではない。
どこにいても、すぐそこまで危機が迫っているのをひしひしと感じている。
今更だが、人との接触をできるだけ避け、宿泊施設や買い物、飲食店では自分なりの対策をしっかりやろうと思う。
マスク、手袋着用の朝食バイキングを済ませ、午前8時過ぎにホテルを出発。
今日の行程は20キロと短いので、久しぶりにNHKの朝ドラを観ることができた。
天気は安定しており、連日の快晴である。
冷え込みもいくぶん柔らいだようだ。
国道3号線は、佐敷港の入り江に注ぐ湯浦川に沿って山あいに入っていく。
整備された公園もあり、歩道の街路樹には紅葉が始まっていた。
『津奈木太郎』の標識が出てくると、国道は勾配を増した。
電光板は13度の気温を示しているのに、汗が吹き出てくる。
雑草で覆われた歩道をクモの巣を避けながら進むと、津奈木トンネルが現れた。
『三太郎峠』の最後の砦である。
トンネルは全長522メートルと短いが、歩道がない。
交通量は多く、ひっきりなしにクルマが吸い込まれていく。
いつものように“トンネル通過用グッズ”を着けて、いざ突入。
全長が短いからだろうか、クルマの2台に1台が無灯火かスモールランプで走ってくる。
これで、歩いている私に気づくのだろうか、危険極まりないと思わずにはいられない。
トンネルを出ると鬱蒼とした緑の森が広がっていた。
段々畑を従えた谷の底には、小さな集落も見えた。
おそらく、限界集落ではないだろうか。
雑草が邪魔をして真っ直ぐ歩けない歩道を外れて、車道をずんずん下った。
津奈木の町に出ると安全地帯に入った安心感からか、公園のベンチに座って靴下を脱いだ。
連日の30キロ超えで、右足に小さなマメができていた。
臀部の痛みはロキソニンを飲んで抑えているが、マメの痛みは治療を怠ると日増しに悪化するから侮れない。
願わくは、佐多岬に到達するまでのあと6日間を踏ん張って欲しいと思う。
津奈木からゴールの水俣市までは、何度も休憩を取りながらのんびりと歩いた。
『水俣病資料館』を見学する案も頭に浮かんだが、宿泊ホテルが見えてくると、早くシャワーを浴びたいという気持ちが先立ってしまった。
明日はいよいよ県境を越え、日本縦断の最後の県、鹿児島に入る。
■2020年11月12日 熊本県芦北市~水俣市
■30872歩 20.60キロ
■スーパーホテル水俣
■晴れ

※佐敷港の入り江に沿って歩く。

※公園の街路樹も紅葉していた。

※南九州自動車道の高架をくぐった。

※デコポンがたわわに実っていた。

※津奈木太郎峠の登りが始まった。

※全長522メートルの津奈木トンネルに突入した。

※トンネル内部は最初は明るかったが、中間点では真っ暗になった。

※トンネル出口。これで三太郎峠のトンネルが終わった。

※津奈木太郎峠を下ると眼下に集落が見えた。

※津奈木町の酒蔵。

※津奈木町の景勝地、軍艦岩を見ながら歩いた。

※ホーロー看板がある風景。

※豊臣秀吉の島津征伐ゆかりの歌坂。

※のどかな風景を背景に行く、おれんじ鉄道。

※ショウリョウバッタ

※水俣市に入り、鹿児島が一段と近づいてきた。

※水俣橋を渡り、市街地に入った。
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