ゴールの佐多岬まであと2日に迫った。
今日の宿泊予定地は南大隅町の根占であるが、事前に調べたところ、ここには宿が数軒しかなく、そのうちの一番新しくて大きな宿がコロナの影響で休業となっており、民宿も同様だった。
最悪の場合、テント持参を考えたが、運良くビジネスホテルを予約することができたので、今回の旅は重荷を担がなくても済んだといういわくがある。
連日、30キロの距離を歩けているのは、一重に荷物が軽いおかげだと思っている。
午前7時前に垂水のホテルを出発。
九州の日の出は遅いので、この時間になってようやく明るくなってくる。
鹿屋市の古江町までは国道220号線を歩く。
錦江湾に沿った海岸通は歩道も整備されており、ベンチもあって快適だ。
南国特有のガマジュルの木も等間隔に植えられており、真っ赤なハイビスカスの花も咲いている。
ここがとても日本だと思えないくらいだ。
そして、季節外れの暑さ。
歩き初めて一時間で汗が滴り、我慢できずついにTシャツ姿になった。
古江からは国道を離れ、海岸づたいに県道68号線を行く。
かつての軌道の跡だろうか、サイクリングロードとなっている立派な歩道を歩いた。
海に浮かぶ岩場に建つ荒平神社を過ぎ、歩道が無くなった国道269号線に入ると雨が降りだした。
骨が折れた満身創痍状態の折りたたみ傘を差して歩く。
この傘は6月に長野県を歩いているときに『しまむら』で買ったが、以来、縦断の旅にずっと連れてきている。
へんな愛着があって、ボロボロになっても手放せないでいる。この旅が終わったら成仏させてやろう。
雨も上がり、道の駅錦江にしきの里に出ると、ミカン1袋(5個250円)と紫芋で作った『けせん団子』(6個300円)を購入。
ビタミン不足を補うために、今回の旅では毎日のようにミカンを食べている。
そして道の駅の楽しみは、地元特有の餅や饅頭といった和菓子。
甘いものに目がないので、珍しいものがあると行動食としてついつい買ってしまう。
糖尿病の主治医から甘いものを食べ過ぎないように指導されているのに、“自分に甘い”のでは仕方がない。
そうそう、道の駅で休憩中に『なにわ』ナンバーの初老の男性4人連れに出会ったが、その内の一人が開聞岳を指差し「桜島は立派だなぁ」と呟いたのには思わず苦笑い。
更にその人は、傍らの私に「兄ちゃん、どこまでいくの?」
62のオヤジに対して兄ちゃんとは…あんたと年、変わらんがなぁ…と思いながら、面倒なので「岬まで」と応えた。
土足で踏み込んでくるデリカシーがないこういう輩に対しては間違っても「佐多岬」と応えてはいけない。
おそらく『さだまさし』と解釈するかもしれない…。
そんなわけないか。
城ヶ崎に出ると、更に大きくなった開聞岳が真正面に見えた。
開聞岳には20年ほど前に登ったことがあるが、その頃は体力が有り余っていたので、山麓から頂上までランニングよろしく駆け登った。
今ではとても無理だが、対岸に浮かぶ円錐形の秀麗な姿を見ると、もう一度登ってみたくなった。
午後3時をすぎ、歩行距離が30キロを越え、根占の町に入った。
ここから佐多岬までは37キロ。
投宿したホテルの女将さんいわく、「岬の登り、きついですよ」
最後の一日は、なかなかハードになりそうだ。
■2020年11月17日 鹿児島県垂水市~南大隅町
■52386歩 34.05キロ
■ビジネスホテルオルビス
■晴れ時々雲り、一時雨

※いよいよ佐多岬を目指す最終ラウンドが始まった。

※南国の樹木が植えられた海岸通を歩く。

※真っ青な空と青い海が素晴らしい。

※荒平神社。

※降りだした雨のなか、黙々と歩いた。

※高須川を渡り、浜田の町に入った。

※道の駅に併設されたキャンプ場には影絵のモニュメントがあった。


※道の駅で購入。

※紫芋で作ったけせん団子。

※神之川大橋を渡った。

※城ヶ崎展望台から見た開聞岳。

※大根占の町で見つけたホーロー看板。

※蟹が威嚇していた。

※本土の南の果てまで来た。

※今日のゴール、根占の町。佐多岬まであと37キロ。
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