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7月の読書

オリンピック観戦づけの毎日です。
外出するのは朝夕2回のウォーキングだけです。
まぁ、これだけ暑いと外に出る気もしませんが。

ウォーキングの夕方のコースは自宅近くの公園を歩きますが、雑木林の中を縫うように続く歩道です。
これが森林浴も兼ねて、なかなか気分がいい道なんですね。
それと面白いのは、クヌギやナラの樹液に集まる虫たち。
昨日はミヤマクワガタ、今日はカブトムシのオスと大きなシロスジカミキリを見つけました。
携帯をもってなかったのは残念でしたが、蚊に刺されるのもいとわず、童心に返ってじっくり観察しました。
このところのウォーキングの楽しみになっています。

さて、7月の読書ですが、スコアは10冊でした。
収穫はイザベラ・バードの『日本奥地紀行』。
ずっと以前から読まなきゃいけないと思って、そのまま積読状態になっていた本ですが、ようやく読了することができました。

7月の読書メーター
読んだ本の数:10
読んだページ数:2969
ナイス数:3015

日本奥地紀行 (平凡社ライブラリー)日本奥地紀行 (平凡社ライブラリー)感想
長年の積読本をようやく崩せた。明治初期の日本の農村や漁村の実態を知るには貴重な一冊。著者の冷徹な視線に写る日本人像が愚鈍、不潔、野蛮、矮小、猜疑心といった極端なマイナスイメージから、人々との交流のなかで礼儀正しさや美徳、家族愛などに触れて徐々に日本人の素晴らしさに気づいていく過程がなんとも痛快。更にアイヌ民族との生活体験は、彼らに流布されている偏見や差別を否定するまでに大きな役割を担っている。この時代において、蚤や蚊の襲撃にめげずに旺盛な好奇心と柔軟な思考をもって旅をした著者のバイタリティに脱帽である。
読了日:07月30日 著者:イザベラ バード

トペトロとの50年―ラバウル従軍後記 (中公文庫)トペトロとの50年―ラバウル従軍後記 (中公文庫)感想
マラリアに罹患したラバウルで、毎日バナナを運んでくれた原住民の少年トペトロと交流を描いた話は、著者の多くの作品に出てくるが、これは後日談ともいえる物語。成長したトペトロとの再会と死。そして著者が葬式を出してやるまでのストーリーが実に自然体でほのぼのとして良い話である。復員後に描いていた“奇人”のスケッチも面白いが、電車の中で観察した女性像は絵の旨さが際立っており、著者のただならぬ才能を感じる。鬼太郎たちのモデルとなったのは“トペトロ”たちという、こぼれ話は得した気分。
読了日:07月30日 著者:水木 しげる

新版 ナチズムとユダヤ人 アイヒマンの人間像 (角川新書)新版 ナチズムとユダヤ人 アイヒマンの人間像 (角川新書)感想
初版は1961年イスラエルにおいて、元ナチ親衛隊中佐アイヒマンの裁判を傍聴し、その記録をもとに1962年に上梓された。本書は2018年に著者のご子息である村松聡氏により改定がなされた内容となる。ホロコーストの生存者による証言は無残としかいいようがないが、論点となるのはアイヒマンがなぜユダヤ人の生物学的最終解決の先鋒になったかということである。そこにはヒトラーへの忠誠心以上に、強く働く出世欲があったといわれている。ドイツの敗戦が濃厚になっても虐殺を続けた背景にはそこはかとない狂気を感じずにはいられない。⇒
読了日:07月21日 著者:村松 剛

春琴抄 (新潮文庫)春琴抄 (新潮文庫)感想

高校生以来、実に40数年ぶりの再読。改めてこの短編の凄さに圧倒された。谷崎を読むうえでその根底を貫流しているマゾヒズム的幻影を理解して、初めてその作品群の端緒に触れることができた気がする。本作での春琴と佐助の関係は単なる主従ではなく、そこにはゆがんだ愛のカタチが見え隠れしている。火傷を負う前の春琴の美しい顔を永遠の残像とするために、自らの眼球を針でつく佐助の究極の自虐行為は、常人には理解できないマゾヒストとして精神的快楽の極致にあったとも解釈できる。10代ではこの作品は早かったと、今になって思っている。
読了日:07月16日 著者:谷崎 潤一郎

ソハの地下水道 (集英社文庫)ソハの地下水道 (集英社文庫)感想
舞台となったは旧ポーランド・ルヴフの町。ロシア軍によって解放されるまで、14ヵ月間にわたって絶悪な環境の下水道に隠れたユダヤ人の記録。最終的には10人が生き延びるが、その支援にはポーランド人ソハを中心とした人々の存在があったという。ナチによるユダヤ人虐待が進む中で、人道的見地により自らの危険を顧みることなく、ユダヤ人を匿ったり、逃亡の手助けをした人々は他にも多くいる。本書に限らず、様々な状況の中でのこうした記録が風化することなく、さらに多く出てくることを望みたい。

読了日:07月15日 著者:ロバート・マーシャル

五辧の椿 (新潮文庫)五辧の椿 (新潮文庫)感想
『日本婦道記』『さぶ』『赤ひげ診療譚『青べか物語』『おごさかな渇き』と読んできて6作目の山本作品であるが、そのどれもが同じ作者が描いたものと思えない新鮮さを覚えた。多くの引き出しをもち、新たな技法を操ることができる多彩な作家ならでの才能と思う。ただし、そこに共通しているのはすぐれた人間洞察力と小説に向き合う高い構成力である。本作の主人公【おしの】の変幻自在な描き方と、パズルのピースを一片の狂いもなくはめ込むストーリーは、まさに著者の真骨頂が発揮されている作品といえる。

読了日:07月11日 著者:山本 周五郎

ボッシュの子ボッシュの子感想
ずっと以前に観た戦争の記録番組で、髪を丸刈りにされる女性のショッキングな映像があり、その姿がいつまでも記憶の残像になっていた。ボッシュとはドイツ兵のことを言う侮蔑語であり、丸刈りにされた女性は、ナチス占領下のフランスでドイツ兵と恋に落ち、市民から迫害された人たちであった。著者は戦争の落とし子=ボッシュの子として貧困と差別の中で育ったが、やがて同様な運命を背負った仲間たちと全国的な友好活動に入っていく。20万人のボッシュの子は、ナチスが犯した罪の一端であるが、救いはそこにあった純粋な恋物語であると思いたい。
読了日:07月05日 著者:ジョジアーヌ・クリュゲール

おごそかな渇き (新潮文庫)おごそかな渇き (新潮文庫)感想
珠玉の短編集。絶筆となった表題作は、著者の宗教観と人間の真理を追究する倫理観が垣間見える作品。続きを読みたいが、今となってはそれも叶わない。『雨あがる』は映画を先に観ていたが、原作にはなく映画では肉付けされたラストの場面は、“あり”“なし”どちらも優劣つけがたく、物語の行く末を広げ、引き締めている。お気に入りは『かあちゃん』と『あだこ』。どちらも最後に泣かされた。
読了日:07月04日 著者:山本 周五郎

読書する人だけがたどり着ける場所 (SB新書)読書する人だけがたどり着ける場所 (SB新書)感想
「深みを感じとる力」…読書から得られるもの。私にとっては一番足りていない力かな。『カラマーゾフの兄弟』
は高校時代に途中で放り投げてから、手にすることなく45年が経った。死ぬまでに読みたい本として、目の上のたんこぶ状態。よぉし、今年こそリベンジしようじゃないか。
読了日:07月03日 著者:齋藤 孝

ヒトラーの側近たち (ちくま新書)ヒトラーの側近たち (ちくま新書)感想
ナチ党の誕生から自決まで、ヒトラーの生涯について概略は理解しているので、年表的な内容では物足らなかった。ワーグナー夫人やベルヒシュタイ夫人といった社交界のVIPがヒトラーの熱狂的なパトロンとなり、結党の初期段階で財政支援に大きく絡んでいたという。女性にモテる男としての意外性には驚いた。現実から遊離し、破滅に向かうヒトラーの狂信的な戦争ファナティシズムに側近やドイツ国民が心酔し、扇動されていく姿は異常であり、その代償がドイツ国民525万人、ユダヤ人600万人の犠牲者となったことはあまりにも大きい。
読了日:07月01日 著者:大澤 武男


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[ 2021/08/02 ] 読書 | TB(0) | CM(0)

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