箱根湯本駅から早朝の旧東海道を歩きだす。
天気予報は見事に外れ、肌にまとわりつく霧雨が降っている。
畑宿の集落から一里塚を見て、薄暗い旧街道に入った。
樹上から落ちてくる雨しずくでずぶ濡れになりながら、石畳を息を切らして登る。
シューズはぬかるみに何度もはまってどろどろだ。
『甘酒茶屋』は江戸時代初期から創業している歴史のある老舗。
暖簾に誘われるように、休憩がてら店に入った。
茅葺きの建物も年季が入っているが、店内は囲炉裏の煙が立ち込め、全身に臭いがついてしまった。
甘酒と力餅が名物だが、甘酒は苦手なので力餅のいそべ(500円)を頼む。
醤油が効いた力餅を食べて腹ごしらえをしていると、女性の店員さんから道中安全祈願の御札と、芳名帳を差し出された。
なんでも、歩いて登ってきた人にサインをしてもらうのが店の慣わしという。
モロに個人情報だが、自治体名とフルネームでサインした。
箱根越えを目指して徒歩で登る人々は思った以上に多いようだが、ここ数日間の記帳を見ると、私は3日ぶりの徒歩の旅人のようだった。
店を出てからいくぶん緩くなった坂道を登り、権現坂をどんどん下っていくと視界が開け、元箱根の町から芦ノ湖に出た。
力餅のパワーを貰ったようだ。



※『甘酒茶屋』神奈川県足柄下郡箱根町畑宿二子山395-1 無休
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