午前2時。雷鳴がとどろき、バケツをひっくり返すような土砂降りの音で目覚めた。
優雅な雨だれの音を楽しもうと寝入ったのに、バタバタとテントがはためき、フライシートに雨が当たっている。
道の駅の軒下にテントを張っていたのは正解だった。
雷鳴をいくつか数えたところで、気づいた時には、再び深い眠りに落ちていた。
雨が上がるのを待って、午前7時に出発。
今日は、この旅二回目となる遍路ころがしが待つ20番鶴林寺から21番太龍寺を打つ。
昨日までの暖かい気温が一転して、まるで冬が戻ってきたような寒さと曇天。
ジャージの上着の上に白衣を着て、ネックウォーマーと手袋の防寒対策をして登る。
しかし、高度が上がるにつれ、汗が流れてくる。
暑い、寒い…を繰り返しながら、鶴林寺に着いた。
本堂と大師堂を参拝し、納経して早々に太龍寺に向かう。
太龍寺は更に標高が上がったのか、登るにつれどんどん寒くなってきた。
吐く息が白くなった頃に到着。
寒さに震えながら納経をした。
「一に焼山、二に鶴林、三に太龍」と謳われる遍路ころがしの悪路も、意外にあっけなく登りきった。
太龍寺からは遍路道から長い林道と県道を下るが、国道195号に出るまでは大型ダンプがひっきりなしに脇を抜け、危険この上なかった。
遍路ころがしより、こちらの方が「遍路泣かせ」じゃないだろうか。
阿瀬比の集落には遍路小屋があったが、東屋に毛が生えたような作りなので、今の時期は寒くて使えないかもしれない。
夏ならば、そのままゴロ寝はありか。
ただし、蚊との格闘になりそうだが。
この旅のなかで一度は泊まってみようと思っているが、今のところチャレンジに値いする小屋には出会っていない。
小屋を離れ、本日最後の登りとなる美しい竹林が続く大根峠を過ぎると22番平等寺に着いた。
バスの団体客で賑わう境内にザックを置き、今日の参拝を終えた。
連日の野宿では風呂にも入れないので、一昨日に同行したSさんに勧められて同宿予定だった民宿に投宿。
女将さんの話では、Sさんは脚を痛めてキャンセルしたそうだ。
今日の行程や宿で会えるのを楽しみにしていたが、怪我には勝てない。
Sさんは、ひとまず徳島駅に戻り、しばらく休養してから再度チャレンジするということだった。
この話を聞いて、徳島県内で歩き遍路の三割が脱落するということが分かった気がした。
投宿した宿「山茶花」は、女将さんが一人で回しており、洗濯と乾燥はお接待だった。
泊まり客は私以外に1名。
東京から今日入ってきた人だった。
毎月5日間の休みを取っての区切り打ち。
還暦を迎える今年中に結願を目指すという。
私は優柔不断なので、どこまで行くのか決めてもいない。
風まかせも悪くないが、糸が切れた凧ではないので、そろそろゴールのことも考えてみようと
思う。
遍路6日目にして、全身が筋肉痛に喘いでいる。
あれほど対策を打ってきたマメもいくつかできてしまい、昨日は昔治療した歯が欠けてしまった。
明日は寒さが柔らぐだろうか。
まだまだ、旅は続く。
◼️2023年3月13日 20番鶴林寺~22番平等寺
◼️37433歩 24.33㎞
◼️曇り時々晴れ
◼️民宿山茶花

※鶴林寺への登り。桜が咲いていた

※出発した勝浦の町が眼下に広がった

※鶴林寺の登り

※鶴林寺山門

※鶴林寺

※太龍寺に向かう

※のどかな山の風景のなか歩いた

※廃校となった小学校のトイレを借りた。お礼として納め札を入れた

※水井橋を渡った。ここから再び登りが始まる

※太龍寺に登る途中には、弘法大師像やお遍路の墓があった

※同上

※こんなやつに会った

※太龍寺

※同上

※同上。龍神の天井画

※遍路小屋

※22番平等寺に向かう

※太龍寺を下り、22番平等寺に向かうと竹林

※平等寺の仁王像

※22番平等寺

※ボリュームある夕食に舌鼓を打つ。民宿山茶花
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私が過去3回行ったことのあるお寺ですが
途中の過程が凄すぎます。
私の憧れのお遍路ブログ 感動の連続です。
コメントありがとうございます
とんでもないです
私よりお元気な人はたくさんいますよ。
全身筋肉痛で頑張ります
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