予報は外れ、朝7時を回っても雨が強く降っていた。
我慢できず、昨日と同じ雨具上下の姿で出発。
道路を隔てた宿の向かいにあるお遍路休憩所の老遍路は、テントを畳んでベンチに座り、ぼんやりと雨を眺めていた。
おそらく、再び会うことはないと思うが、元気でやって欲しいという一心で、わずかな金を握らせた。
お遍路がお遍路に接待をするのも変だが、これも一期一会。
我が身に当てはめた時、他人はどうしてくれるだろうか。
旅の出会いを大切したいと思う。
今日のコースは、27番神峯寺を打つだけだが、これが25㎞歩いた唐浜から更に山道を4㎞登った場所にあるというロケーション。
歩行距離は35㎞を超え、けっこうハードな状況が見えている。
注意して対策を施していても、いくつかできてしまったマメが痛むので、35㎞は辛いものになりそうだ。
しかし、それを救ってくれたのが、ここ数日、同行している長野のSさんと、東京の大学生 Kさん。
彼らと楽しく話をして歩くだけで、脚の痛みも、ザックの重さも忘れさせてくれる。
遍路の良さは、同じ目的を共有する同志の、短くも結ばれた仲間意識と団結力ではないかと思う。
20代、60代、70代の世代を越えたチームなぞ、お遍路だからこその即席編成チームであり、こんな可笑しなリンクは、滅多にあるまい。
町並み保存地区の吉良川を過ぎた午前9時頃に、しつこかった雨もあがり、太平洋が抜けるような青空に映えて、爽やかな青を見せてきた。
こうなると、海岸づたいに歩くことが楽しくなってくる。
花壇の手入れをしているご老人のグループと、しばし談笑したり、散歩を楽しむおばあちゃんに道を尋ねたり…。
天気が左右するのもお遍路の魅力だろうか。
確かに、雨や陰鬱な曇天は気持ちも沈み込む。
奈半利で昼食のカツ丼を食べ、再会を約束してKさんと別れ、27番神峯寺に向かう。
舗装道路から山道に続く遍路道の急な登りに差し掛かると、脚の痛みに苦しむSさんのペースが落ちた。
ここまで一緒に歩いてきた仲間なので、Sさんのペースに合わせて歩く。
14時30分、神峯寺到着。
ほとんどの参拝客(お遍路)がタクシーやクルマで登ってくるなか、我々ロートル歩き遍路は、チームワークで登り切った。
納経を終えると、電車に間に合わせるため急いで山を下る。
二人とも寺に近い唐浜駅近辺で宿が取れず、Sさんは安芸、私は伊尾木で宿を確保したために電車移動しなければいけない。
唐浜駅16時21分発の土佐くろしお鉄道に乗り、10分後に伊尾木駅に到着。
コンビニで夕食を調達し、築90年の民泊のお遍路宿に入った。
久しぶりの30㎞超となった、長い一日であった。
◼️2023年3月18日 27番神峯寺
◼️53079歩 34.50㎞
◼️雨のち晴
◼️お遍路の宿三毛猫

※防潮堤のような役割なのか、台風対策なのか、高い石垣に守られた家屋が並んでいた

※空海伝説はここにもあった

※雨が止まぬなか、ひたすら歩いた

※先を行くSさん

町並み保存地区の吉良川町を歩く

※同上

※雨が上がり、すっかりと晴れ上がった

※同上

※同上

※27番神峯寺に向かう

※神峯寺門前

※本堂に続く石段

※神峯寺本堂

※神峯寺から太平洋を望む

※土佐くろしお鉄道。明日はゴールした唐浜駅に戻ってスタートする
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