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四国歩きお遍路(35) 66番雲辺寺~69番観音寺

「民宿岡田」の名物おじいちゃんは95才。
夕食後のひととき、宿泊客の5人は翌日に打つ雲辺寺のルートについて、おじいちゃんからレクチャーを受けた。

背筋をピンと伸ばしたかくしゃくとした姿、歯切れの良い話かたはとても1928年(昭和3年)生まれとは見えない。
テレビ番組でも取り上げられたという有名人で、四国遍路のまさしく生き字引のような人だった。

6時30分にエプロンをしたおじいちゃんに見送られて出発。
お接待でいただいたおにぎりをザックに詰め、おじいちゃんの手書きの地図のコピーを片手に歩き出す。

林道から山道に入ると、遍路道は傾斜を増し、肌寒い気温だというのに、汗が吹き出てきた。

88ヵ所の札所では一番標高が高い場所にある雲辺寺だが、意外にあっけなく出発から1時間40分で到着。
かなり寒いので、境内でゆっくりすることもなく本堂と大師堂を参拝し、五百羅漢がずらりと並ぶ遍路道を67番大興寺に向かった。
ちなみに五百羅漢には自分とよく似た顔の像があるというが、あまりにたくさんあるので、じっくり見ることができなかった。

いつの間にか県境を越え、香川県に入った。愛媛→徳島→香川とこの二日間で三つの県境をまたいだことになる。

登りと違い、下りの遍路道は標高差1000メートルを下るので、それこそ膝がガクガクになるくらいの長いアルバイトとなった。

大興寺までは、他の民宿に泊まった東京から来た45才のSさんと抜きつ抜かれつ歩いた。
Sさんは2か月間をかけての通し打ちで、会社経営者だという。
仕事は大丈夫かと訊くと、毎日決まった時間にパソコンを使って会議をしているそうだ。
ザックがデカイのが、これで分かった。

67番大興寺の山門には、県の指定文化財となっている運慶作の仁王像があった。
この情報は、民宿のおじいちゃんからレクチャーを受けなければ知らなかったことだ。

香川はさすがにうどん県と言われるだけあって、黄金色の麦畑が至るところにあった。
明日からはうどんが主食となりそうなので、今から楽しみである。

大興寺から予約したホテルがある観音寺駅前まで9㎞ほどだが、早く着きそうなので、明日に予定していた68番神恵院と69番観音寺を打ってからチェックインすることにした。

途中に、観音寺名物の「やきもち」を売っている汐沢製菓の店があったので、ガラス越に店内を覗くと、若い女性店員さんと目が合ってしまい、あわてて視線をずらした。

私がよほど物欲しそうな顔をしていたのか、店員さんが出てきて「これ、お接待です」と言いながら、売り物のやきもちとくるみ饅頭を私の手に握らせてくれた。
ありがたや~

後続してきたSさんにくるみ饅頭を提供し、今のお接待の話をした。
彼は貰えなかったとがっかりしていたが、私にくれたのは、彼女の目からはおそらく私がよほど疲れてかわいそうに見えたからではないだろうかと分析。

ちなみにSさんはほとんどお接待を受けたことがないという。
私はこのところ毎日のようにお接待を受けているので、端から見れば、きっと辛そうなお遍路さんに映っているのだろう。

観音寺の中心部から財田川を渡り、神恵院と観音寺に到着。
この二つの寺は、同じ境内にそれぞれ本堂と大師堂が並んでいるという不可思議なロケーションとしても有名。

順番通りに68番を先に参拝し、次に69番を打った。
納経所は一つなので、納経帳を差し出すと、一人で二つ分の寺を墨書してくれた。
納経料金は600円だった。

札所を出て、寛永通宝の砂絵を見るために展望台に立ち寄る。
これもおじいちゃんに勧めらたスポット。
1633年(寛永10)に作られたという砂絵は写真では見てきたが、本物の迫力はなかなかだった。
これを見たらお金が入るというご利益があるということだが、宝くじでも買っておけば良かったかもしれない。

観音寺は寛永通宝の町なのか、マンホールのデザインはもちろんのこと、公園のモニュメントなど、至るところに寛永通宝があった。
これも町越しの一環だろう。


足の痛みが気になりだし、汗だくの体を一刻も早く風呂で洗いたかった。
ついでに4日ぶりの洗濯もだ。

ホテルまでの帰路にスーパーで晩ごはんを調達し、16時30分にチェックイン。

天気は下り坂のようだが、明日はゆっくりと出発できることが、うれしい。

◼️2023年5月26日 徳島県池田町~香川県観音寺市
◼️46435歩 30.18㎞
◼️曇りのち晴
◼️ハイパーイン観音寺駅前

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※林道から遍路道に入った

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※雲辺寺が近づいた遍路道の風景

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※66番雲辺寺山門

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※同、仁王像

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※同、本堂

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※同、大師堂

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※これをくぐると、願い事が叶うという

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※雲辺寺の五百羅漢

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※同上

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※遍路道は広葉樹の林のなかを行く

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※気持ちの良い遍路道が、この後急な下り坂となった

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※遍路道は集落に向かって下った

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※同上

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※67番大興寺山門

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※同、運慶作と伝わる仁王像

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※大興寺。弘法大師が植えたと伝わる大樹があった

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※大興寺の本堂と大師堂

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※大興寺境内でお接待のおにぎりを食した

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※麦畑を見ながら歩く

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※お接待でいただいた。

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※68番神恵院と観音寺の山門

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※68番神恵院本堂

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※同、大師堂

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※69番観音寺本堂

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※同、大師堂

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※寛永通宝の砂絵

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※公園にあった寛永通宝のモニュメント

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