2024 02123456789101112131415161718192021222324252627282930312024 04

9月の読書

10月に入りようやく涼しくなってきましたね。
待ちに待った秋本番です。

今週から少し長い歩き旅に出ることにしました。
どんな風景に出会えるのか、今から楽しみです。

さて、9月の読書ですが、7冊という相変わらずの低空飛行で終わってしまいました。
振り返ってみても特に忙しかったわけでもないですが、暑さで読書に身が入らなかったということでしょうか。

今月は旅に出ますのでさらに読書量が落ちますが、良書に巡り合えればいうことありませんね。

画像は琵琶湖近くで撮影した朝の風景です。

20230920_062242.jpg

9月の読書メーター
読んだ本の数:7
読んだページ数:2031
ナイス数:346

白装束集団を率いた女 (論創ノンフィクション)白装束集団を率いた女 (論創ノンフィクション)感想
謎の白装束集団騒動のことは記憶の片隅に残っている。
その時にパナウェーブ研究所という家電メーカーのような名称が刷り込まれたが、実際は千乃正法会という宗教でも政治団体でもない奇怪な組織。
本書は中心である千乃裕子の生涯に迫っていくが、資料に頼り過ぎて千乃本人の人間像が掴めず、ベールに包まれたまま最後まで実態が見えてこなかったのが残念。
千乃に人を惹きつける求心力があったとは思えないが、気づいたら周囲から祭り上げられていのではないだろうか。
狂信的な幻想と幻視、幻聴が織りなす狂騒劇に翻弄された人々が哀れでならない。
読了日:09月28日 著者:金田直久

つげ義春日記つげ義春日記感想
1975年から80年の日記。この時期は著者にとって精神の高揚と低迷に翻弄された時期である。
高揚は長男の誕生と育児、低迷は不安神経症の発症と妻マキの病気。
体調の不安定さを書き続ける後半の日記は、読む側にもその不安が乗り移るかのように重くのしかかってくる。
この時期のことを綴った藤原マキの『私の絵日記』と『別離』(87年)も併せて再読しながら日記を読むと、著者の苦悩が一層伝わったきた。
私小説をこよなく愛し、マンガだけでなく文筆にも非凡な才能をもった著者。
『別離』から長い休筆となっているのがファンとして寂しい。
読了日:09月25日 著者:つげ 義春

つげ義春の温泉つげ義春の温泉感想
この作品は2003年にちくま文庫版で読んだが、初版の単行本が手に入ったので、改めて再読してみた。
昭和40年代の温泉場の写真、『長八の宿』『ゲンセンカン主人』などの漫画、そして温泉旅行をもとにしたエッセイ。
そのどれもが、つげワールド。このバランスの良さとクオリティの高さは非凡なる故か。
著者が好んで描いた、鄙びて、寂れて、貧しい…そんな昭和の情景が匂い立つような温泉場や宿も絶滅危惧種になってしまったが、東北の山奥には自炊ができる湯治場もまだ残っているという。
いつの日にか、作品の残像を探しに訪ねてみたくなった。
読了日:09月14日 著者:つげ 義春

多読術 (ちくまプリマー新書)多読術 (ちくまプリマー新書)感想
久しぶりに覗いたら『千夜千冊』は1829夜。圧倒的な知の大海原になすすべもなく、尻尾を巻いたまま眺めている。
著者のいうキーブックでの多読術は、こだわりもなく読み散らかすスタイルを通してきた私には、到底真似できぬ方法なので参考に留める。
ひとつ上げるとすれば、どんなときも、愉快なときも悲しいときも、調子が良いときも悪いときも本を読む…これこそ読書家たるもの。心にずしんと響く。
ある程度の好奇心は目で見て体感することで満たされるが、それに知的要素を加え、更に視野を広げる手段として本が一役買う。これに尽きる。

読了日:09月14日 著者:松岡 正剛
完全なる白銀完全なる白銀感想
山岳小説としての描写にこだわって読んだ。
厳冬期のデナリはトップエキスパートにだけ許された山という印象がある。
カメラマンの藤谷緑里がこの山に挑む実績や実力があるのか、夏のデナリの登頂経験があってのチャレンジなのか。
この点については国内での難易度が高いアルパインクライミングや冬山登攀のリアルな描写を挟んでくれたら納得もしたが、シーラも含めてプロセスを省いたばかりに、冬のデナリが無謀登山に感じてしまう。
ロープワークなど登攀技術の描写も甘く、デナリ特有の雪崩の脅威など厳しさをもっと描き込んで欲しかったところ。
読了日:09月12日 著者:岩井 圭也

【改訂完全版】アウシュヴィッツは終わらない これが人間か (朝日選書)【改訂完全版】アウシュヴィッツは終わらない これが人間か (朝日選書)感想
ホロコースト関連を読み漁ってきたが、これは『夜と霧』に並ぶ名著であり、必読の書。
読メ読了3000冊目の節目として読めたことが嬉しい。
「自分のパンを食べよ、そしてできたら、隣人のパンも」は、人間としての尊厳をも奪い取るラーゲルの生活を端的に表している。
その上でダンテの表現を借りて、人間破壊されて死んでいく人々を「溺れるもの」と辛辣に比喩していることは衝撃的である。
ナチが行った非人間的な残虐行為、その狂気の本質の根源を生涯かけて追及した著者は、単なる生存者ではなく、歴史が生んだ選ばれし者に他ならないだろう。
読了日:09月08日 著者:プリーモ・レーヴィ

丑三つの村 (徳間文庫 120-5)丑三つの村 (徳間文庫 120-5)感想
映画化されたこの作品は、横溝正史『八つ墓村』を始め、岩井志麻子『夜啼きの森』、松本清張『闇に駆ける猟銃』など、津山三十人殺しを題材にしたなかでも史実をもとに再現したノンフィクション小説として秀逸だと思う。
事件後43年という、当時の関係者が健在での取材と執筆は説得力があり、惨劇のデテールを克明に描くことに味方している。
それ以上に、未曽有の殺人へと向かう犯人犬丸継男の内面心理の変化や、土俗的、閉塞的な集落に生きる人々の人間模様と時代背景を冷めた文体で表現することに成功している。
これが一段と恐怖を煽るから凄い。
読了日:09月02日 著者:西村 望


読書メーター


メインサイト『琺瑯看板探検隊が行く』もどうぞご覧ください★

↓♪ 良かったらポチッとお願いします ♪ 
にほんブログ村 オヤジ日記ブログ 定年オヤジへ


PVアクセスランキング にほんブログ村
関連記事
スポンサーサイト



[ 2023/10/02 ] ▼読書 | TB(0) | CM(0)

コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
https://tsuchinoko2006.blog.fc2.com/tb.php/3000-a58e96aa