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松本清張著 『日本の黒い霧』 

小説家は凄い、と改めて思った作品だ。
『日本の黒い霧 上下』は、社会派推理作家である松本清張が、GHQ占領下の日本の暗部にメスを入れたノンフィクションである。
上下巻に亘って、下山事件、帝銀事件、松川事件、レッド・パージ等不可解な事件を多角的に推理し、最後は朝鮮戦争原因究明への考察へと登り詰めていく。
その内容はあくまで論理的で、説得力に溢れている。昭和30年代にこの本が上梓されたときは、米国批判と取られかねない相当なバッシングがあったはずだ。それを承知で発表した著者の反骨な姿勢に共感するのである。

この作品、おそらく戦後日本を代表する名著のひとつではないかと思う。少なくともノンフィクションの金字塔であることは間違いない。

清張作品は小説にしかり、古代史にしかり、かなり読んでいるにも関わらず、どうにもなじめなかったが、これは別格。
精力的な取材を通して、冷徹に推理し、自論を展開する能力に、息もつかさない驚嘆の連続となった。
☆☆☆☆☆

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[ 2010/07/20 ] 読書 | TB(0) | CM(0)

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