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佐野眞一著 『怪優伝~三國連太郎・死ぬまで演じつづけること』を読む

89歳にして現役、名優・三國連太郎の対話ノンフィクションである。
三國が自薦した映画10本を著者と鑑賞し、対談形式でその時折の心の内を探っていくという内容。
ストレートかつ、内面をえぐるようなインタビューは佐野眞一の真骨頂がよく出ており、
三國の謎めいた生きざまに迫る作品に仕上がっている。
『飢餓海峡』『利休』など選ばれた映画の中でも、以前から気になっていた作品があったので、
早速レンタルしてきた。

山田洋次監督作品の『息子』(1991年)は、椎名誠の原作の映画化で、三國68歳の作品。
息子(永瀬正敏)の父親役を演じる三國は、黒沢明監督『生きる』で志村喬が演じた老人役をほうふつとさせる雰囲気があった。肩の力を抜いた自然体の演技は、改めて三國の凄さを感じた。
また、息子の恋人役で聾唖のヒロインを演じた、当時21歳の和久井映見の初々しさと美しさが光っていた。

さて、三國連太郎であるが、今年7月に三國が心筋梗塞で急逝というニュースがネット上に出回った。静岡県沼津市の老人ホームにいるという情報もあり、さすがに役者である。いくつになっても謎めいた人物である。

怪優伝――三國連太郎・死ぬまで演じつづけること怪優伝――三國連太郎・死ぬまで演じつづけること
(2011/11/16)
佐野 眞一

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三國連太郎、永瀬正敏 他

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[ 2012/11/10 ] ▼読書 | TB(0) | CM(0)

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